①偶然の成り行きから海外進出を成功させていった体験談
私は、タイとインドネシアにある日系企業の各現地工場に業務システムを導入しました。
当初私は営業としてシステム導入の仕事を受注し納品する業務に携わっておりました。
今や世の中に多く存在するERPパッケージソフトですが当時はまだあまり浸透しておらず
導入ハードルがまだまだ高い時代でした。
とある案件でこのERPシステムを導入する案件を受注したのですが
社内の技術部門からは「やったことがないから出来ない」と断られてしまい
途方に暮れていると、みかねた上司から「それならば君が導入しなさい」と指示を受け
いち営業であった私がこの(当時)最先端であったシステムの導入責任者となりました。
そして導入先の企業はタイにビジネス進出をしており、日本だけでなくタイでも
このシステムを導入しなくてはなりませんでした。
私のタイと日本を行き来する生活が始まりました。
会社にとっても私にとっても、海外を視野にいれたこの案件対応は
初の試みでした。今回のケースがもし成功したら今後同じケースの横展開として
海外に向けてのサービス展開も視野に入れるという話も上がりました。
まずシステム導入にあたって契約を締結する必要がありました。
契約書類は英吾・日本語の2パターンで進めることになり、日本語ベースの契約書を
翻訳会社に依頼して英語版を作成してもらいました。
またタイの現地での対応のため英語のできる中国人スタッフを雇用しました。
なぜならERPパッケージが中国製だったからです。
プロトタイプを現地へ持参するも現場からは「まったく使えないです」という返事が返ってきてしまい
それなら業務を覚える為、現地に駐在する事を決定しました。
要望を聞きながら販売・購買・生産管理・在庫・会計をすべて導入しました。
開発スタッフもすべて新規でチームを作り、私は現地から毎日日本へ指示を出し
海外進出経験を過去にもつ役員を指導者に加え、手順から手ほどきを受けながら進めました。
帳票は英語・タイ語の2か国語表記ということで英語のできるスタッフも採用しました。
ただし、タイのローカルスタッフ達の英会話は単語を並べるだけで会話になりません。
英語のできるスタッフはあきれて離脱しました。アドオン開発をしてくれたスタッフも
相当苦労をさせた為、次々に退職していきました。引継ぎをしないまま退職してしまうので、
残されたスタッフが苦労を強いられるといった苦い失敗も沢山経験しました。
様々な苦労を経て、結果的にはこのシステム導入はなんとか実現、成功をしました。
この結果から会社としては更なる海外展開を推し進めることとなりました。
②へつづく・・