「衆議院選挙」と「日本の国益」

衆議院選挙は終りました…
概ね「予想通り」の結果といえます
とにかく「今のままではダメ」という国民の判断
内輪のゴタゴタ政局に終始した政治空白…
しかしながら、私たち国民の一人一人は、まるで他人事のように「第三者的」にいつまで見続けていられるのか…
世界は今まさに激動の時代…
近年ではアメリカやヨーロッパの力が低下し、それに伴ってアジアや中東での不安定さが急速に高まっています
ロシアvsウクライナ、中国の台湾海峡での挑発、北朝鮮の核問題など、周辺各国は次々と対応を迫られています
その真っ只中にいるはずの日本が一人例外的に国内での政局争い…?
このままやり過ごせると考えるのは少々楽観視しすぎるのでは…?
世界がこれほど揺れている今、日本の国内政治の不安定さは、ただの「政争」で終わる話ではありません
具体的に日本の国益がどのような形で危険にさらされているのか…?
まずは上記の
(1) 安全保障の危機 – 外部勢力の脅威が増す可能性
北朝鮮は核・ミサイル開発を続け、中国は尖閣諸島を含む東シナ海での領土拡張に注力
また、ロシアも極東地域への影響力を強めており、今後も日本周辺での活動が増えるかもしれない
こうした状況の中で、日本が国内の政局混乱に足を取られていては、外部勢力に付け入る隙を与えてしまいます
安全保障面ではアメリカとの同盟関係が重要な役割を果たして来ていましたが、日本が不安定な状態だと信頼が揺らぐ…どころか、安倍さん後の日本は相手にされなくなりつつあります
自国第一主義を掲げるトランプ政権になれば(ポジティブに考えるならば)日本が本当の意味で独立国になれる絶好のチャンスとも言えますが…
アメリカからの縛りを和らげてもらう一方で、日本も自分の足でしっかり立てるだけの足腰を強くしておかなければならない
さもなければ、ネガティブに考えざるを得ない…属国化がますますひどくなるということです
「属国化」= 独立した意思決定が難しくなる状況…外交や経済政策などの重要な決定が実質的に他国に依存する状態
特に米中など大国の軍事力や経済力に影響を受けやすくなります
「属国化」ならまだしも「隷属化」の危険性すら感じてしまいます
戦後の日本は経済発展に集中できる環境を提供してもらうトレードオフとして、本当の意味での独立国への道を制限されて来た
財務省を中心とした官僚組織、メディアなどの広報機関は戦後一貫してそんな見えない勢力に侵食されてきました
日本国民に対しては、彼らを通じて
国民の自由や権利が制限されていたり
国家の独立性や主権が弱体化されていることに気づかせないよう
あたかも
国民に深い眠りから覚めさせないように…
という訳です
そもそも、自分たちで自分たちの身を守ることを制限され、拉致されても取り戻すことすらできない…許されない
それでも多くの日本のリーダーたちは
自分の国や国民目線ではなく
自分自身の選挙、保身に走っている現状
自分たちで「一人立ちせよ」と言って「くれる」異端児トランプかアメリカを主導すれば、いよいよ日本はまともに相手にされなくなるに違いない
必然的に日本への関心が薄れ、実質的な抑止力が低下し、これが日本の安全保障全体の弱体化につながるリスクとなります
一方、
(2)経済的なリスクも…
貿易摩擦やサプライチェーンの不安定化
日本経済は国際社会の安定性に依存しています
多くの原材料や部品を海外から輸入し、製造業を支えていますが、国内が政治的に不安定だと、こうした経済基盤が揺らぐ
例えば、外交の一貫性が欠ければ貿易交渉で不利な立場に置かれ、主要な貿易相手国との交渉が思い通りに進まなくなる
特にアメリカやEU、中国との経済協定で譲歩を強いられれば、日本の製品競争力が下がり、企業活動にも悪影響が出る
また、サプライチェーンの不安定化も無視できない
特にコロナ禍以降、世界各地で物流が混乱しており、政治的な不安定さが重なると更なる供給問題を招きかねない
これにより、製造業やIT産業の中核が打撃を受け、日本経済全体が衰退する可能性が考えられます
そして…
(3)エネルギーと資源の確保が不安定に – 国際競争で不利になるリスク
日本はエネルギー資源のほぼ全てを輸入に頼っているため、特に中東からの石油輸入の安定が極めて重要
中東地域が混乱すればエネルギー価格は急騰し、日本は輸入コストの増加で経済的に大きな打撃を受けます
このような状況で日本の政治が不安定なままでは、エネルギーの確保が難しくなり、さらなるコスト上昇を招くことになる
資源を巡る国際的な競争も激化している中、国内の安定が欠けていると、日本は他国に対して不利な立場に置かれ、戦略的に重要な資源を確保できないリスクも高まります
資源確保が不安定になれば、日本の製造業全体が脅かされる事態に陥ることに成る
その中にあって
原子力や各種再生エネルギーの自力での研究開発も滞っている
国民の理解、認識も一向に進まない…
そして…
(4) 国際的な信用と影響力の低下 – 信頼される外交力が試される
外交力は国内の安定があってこそ機能するもの
政治的な不安定さは、日本の発言力や国際社会における信頼性を低下させます
今、世界は気候変動や地域の平和維持など、地球規模の問題を協力して解決していくことを求められている一方で、日本が外交で積極的に関与できなければ、他国の利益に押されてしまうことになります
さらに、こうした政治的不安定さは、海外からの投資家にも警戒心を抱かせ、日本に対する投資が縮小される
国内が混乱していると、投資先としての魅力が低下し、海外資金が流出することで日本の経済成長が抑えられる危険も生じる訳です
結果として、有能かつ意欲のある若者を中心に…
(5) 技術と人材の流出 – 将来の競争力が危ぶまれる
国内が不安定であれば、優秀な技術者や専門家が海外でのキャリアを選ぶのは必然
高度な技術や専門知識を持つ人材が流出すれば、国内の技術革新が遅れ、長期的な経済成長も停滞する
そして、技術流出のリスク…技術の発展が進まなければ、他国に後れを取り、国際市場での競争力が失われる
言わずもがなとはいえ
国内安定があってこその「国益」
日本が国際社会での競争力や安全保障、経済的な安定を保つためには、何よりもまず国内の安定が前提条件
世界が動乱に包まれる今、日本が政治的混乱を放置することは、あまりにリスクが大きい
日本が自国の利益を守るためにも、政局争いにとどまらない…国益を見据えた一貫したリーダーはどこに…
日本が持つべき強さと自信を取り戻すためには…?
私が子供時代の鳥取県知事…古武士的性格の石破二朗氏
この父親と、二朗氏の友人であった田中角栄の影響、薫陶を受けたはず…
石破茂
世界が動乱に包まれる今…
日本政治の闇、ドタバタ、カオスの現実、結果として日本丸が危機に瀕する現状を露わにすることで私たちを目覚めさせた
一刻も早く立ち直るように…の願いを込めて