AKB48、乃木坂46、欅坂46。
日本の芸能界は今空前のアイドルグループブーム。
ご存知の通り、これらのアイドルグループは全て秋元康氏がプロデュースをされています。
秋元氏は秋葉原を拠点とするAKB48を「会いに行けるアイドル」として成功させると、
同じコンセプトのアイドルグループを日本各地の都市に展開。
アイドルグループの一大潮流を作り上げました。
そして、日本国内での成功で勢いをつけると、同じ手法で海外にも48グループを誕生させていきました
2011年にインドネシアのジャカルタにJKT48を誕生させたことを皮切りに、
タイ、フィリピン、中国などアジア各国で着実に勢力を拡大していっています。
アイドル個人やアーティストを海外に売り出す試みは過去にもありましたが、
運営ノウハウやコンセプトを含めたアイドルグループ自体を一括して海外展開したのは
秋元氏が始めてでしょう。当初、ファン以外では海外展開の成果が
わかりにくいとの批判もありましたが、タイバンコクに拠点を置くBNK48が
日本でもお馴染みの「恋するフォーチュンクッキー」をタイ国内で大ヒットさせました。
皇室のメンバーも「恋するフォーチュンクッキー」のダンスを披露するなど
タイ全国で社会現象を巻き起こし、日本でも48グループの海外展開に注目が集まるようになりました。
48グループの海外展開からは、秋元氏の巧みなプロデュース戦略が見えてきます。
私が注目したキーワードは、横展開とコラボレーションです。
まず横展開。
48グループ拡大の歴史は横展開です。
秋葉原での成功を博多や難波に持ち込み、さらにアジア各国にまで広げて行きました。
あるグループで成功したものは他のグループでも採用する。
BNK48が「恋するフォーチュンクッキー」で大ヒットを飛ばせたところは
まさに横展開の強みが発揮されたケースですね。
次にコラボレーションです。
こちらも横につながりを持つグループだからこそできるもの。
お馴染みとなったグループ総選挙には海外のグループからの参戦もあります。
また、2018年の紅白歌合戦ではAKB48とBNK48がコラボレーションして
恋するフォーチュンクッキーを披露しました。コラボレーションによって
それぞれのグループのファンがお互いを応援し合うようになる。
ファンを効率よく獲得するシステムを作り上げています。
その手法には批判も多い秋元氏ですが、アイドルグループの海外展開という点では
さすがの経営手腕を見せています。横展開とコラボレーションという手法は、
一般企業の海外展開でも駆使できるものです。海外展開を考えている経営者の方は、
これからも48グループの動向を追ってみてもいいかもしれませんね。
参考文献
日経ビジネスの記事
https://business.nikkei.com/atcl/report/16/030800018/082000526/