海外進出成功事例として、埼玉県川越市にある食品製造・飲食メーカーの「株式会社ひびき」をご紹介します。
ひびきは1992年創業、埼玉県の東部にある川越市で創業された従業員46名、売上高15.5億に及ぶ食品製造・飲食メーカーさんです。
およそ四半世紀と歴史は浅いものの、国内でもその品質には定評高い食品製造・飲食メーカーさんではありますが、川越ブランドを世界に発信したいと考え、川越style倶楽部という異業種交流会を設立し、海外プロモーションを実施した際に海外進出の可能性を感じた代表取締役社長 日疋 好春氏は海外進出を決断しました。
ひびきは、会社のHPにもあるとおり、創業から四半世紀で、常により高いレベルの製品、技術への挑戦を続けており、味噌だれをつけた「やきとり」専門店の運営など、肉の仕入れから契約農家加工、流通まで自社で実施し、地元産食材メーカーと連携した活動を続けてきた会社です。そして、その中で同社の活動は地元埼玉のブランド化に注力し、それに基づいた商品開発を行なってきました。しかし、そのように顧客のニーズを大切にしてきたひびきが海外進出を決めたのが、今から遡ること11年ほど前、2007年ごろになります。
ひびきが海外進出を決めた大きな要因は、川越ブランドを世界に発信したいと考え、川越style倶楽部という異業種交流会を設立し、海外プロモーションを実施した際に海外進出の可能性を感じた点にあります。同社は、11年前の2007年から、地域資源活用新事業展開支援事業費補助金を活用し、川越style倶楽部(異業種交流会)として、ニューヨークにて川越の食文化等のプロモーションを実施してきました。そうしてきた中で、平成22年10月にはシンガポールに進出し、みそだれの販売とあわせてマーケット リサーチを開始しました。さらに、平成24年10月にはフランス・ストラスブール市で開催された「European Fair」に参加し、プロモーションを実施しています。そして、これを契機にフランス企業どの合弁企業を設立することに成功しました。また、同社はこの成功を受けて、フランス・アルザス地方にて焼き鳥文化のレクチャーを開始しました。平成25年2月には、海外初の直営店舗となる「Yakitori Lounge HIBIKI」をシンガポールにオープンさせ、平成26年度において年間約14,000人の来店、年間約6,000万円を売上しています。ひびきのこうした取り組みによって、商品が持つ歴史と品質を評価するアジア圏等などの海外進出が可能になり、わずか46人の従業員数でありながら、ひびきは徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。
ひびきによるこれらの取り組みを可能にさせたのが、JETROの相談窓口や中小機構のF/S支援、JETROの現地プラットフォームといった他のコミュニティや専門家との積極的な交流にあります。同社は、現地法人の設立によって、高品質な安全性管理が可能となったとおっしゃっており、輸出と比べて初期費用がかかるものの、中長期的な視点では現地へ直接の海外進出は有効な手段であるとおっしゃています。
同社は今後、これまでに引き続いて、常に海外進出先の現地のトレンドとニーズ把握し、顧客のニーズに合った製品作りと、知名度や取引先の拡大の両目標に向けて動いていくそうです。
(参考/引用元)
・ひびきHP: http://www.hibiki-food.jp/company/index.html
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_15.pdf