日々私たちがお世話になっている交通手段、鉄道。
この鉄道車両たちが海外展開し、活躍しているってご存知ですか?
今、日本の鉄道車両が海外から注目され、高い評価を受けています。
●日本の中古車両を譲渡
日本で長年活躍した中古列車をアジアの発展途上国へ
譲渡する動きが多くの鉄道会社で見られています。
JRでは103系、203系など主に国鉄時代に製造された
電車が譲渡され、そのほか東京メトロ、都営地下鉄、
東急電鉄などの車両が譲渡され海外展開しています。
主な譲渡先は、フィリピン、タイ、インドネシア、
ミャンマーが多く、アジア以外では南米アルゼンチンに
譲渡される例があります。鉄道車両の製造には莫大な資金が必要です。
そこで日本から中古車両を譲渡される形で、経費削減に役立っています。
そして何より日本の鉄道車両は丈夫で、
メンテナンスが行き届いておりとても使い勝手がよく、
遠い異国の地で市民の移動手段として
第二の人生を送っているのです。
日本の鉄道車両は今日も世界のどこかで
多くの人々の輸送に活躍しています。
日本の高い技術力が生んだ結果と言えるでしょう。
●日立製作所の車両がイギリスで高速鉄道として活躍
鉄道発祥の地であるイギリスでも日本の技術力が
生んだ鉄道車両が活躍中です。
イギリスでは都市間を高速鉄道で結ぶ計画が
進行中であり、日立製作所も協力しています。
日立製作所はクラス800と呼ばれる鉄道車両を
製造し導入しました。クラス800は電気と
ディーゼルどちらでも運行ができ、
電化されていない区間では主にディーゼル機関を用いて
車両が自ら発電する仕組みとなっており、
様々な線路を走破できる非常に高性能な車両となっています。
この柔軟な運用が可能な点も、長距離間を高速で移動するための
鉄道車両として必要不可欠な要素です。それを可能にしたのも、
日立製作所の高い技術があってこそのことだと思います。
現在、クラス800はイーストコースト線や
グレートウェスタン線で活躍しています。
ちなみに、イーストコースト線を運営する
ヴァージン・トレインズ・イースト・コースト社用の車両には
ヴァージンあずま(Virgin Azuma)という
一部に日本語が入った和風な名称がつけられています。
遠いイギリスの大地で人々を快適に、
早く、そして安全に移動できるように
日本の技術力が役立っているのです。
世界で始めて鉄道を造り出し、
それを日本に伝えたイギリスに
今度は日本の車両が輸出され海外展開するとは、
まるで恩返しのような物語で誇らしいですね。