皆既日食が米国の西海岸から東海岸を横断。

「生涯の中でも最高のイベントの時、あなたはどこにいる(?)」
暗闇の中、何が今起きたんだ…、なんて言わないで!
と、ガイドブックにサブタイトルがつけられていましたが…。
何も知らずにこんな現象に遭遇したら、「地球の終わり!」すらイメージしゾッとするのでは…。
驚きと恐れ、不思議、相混じった感情で興奮しました。
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シカゴ郊外の自宅からは片道345マイル(552㎞)の距離(それでも同じイリノイ州内)だったけど、8月20日(日)-8月22日(火)、
2泊3日の小旅行。 夫婦二人でゆったり気分で出かけてきました。今年の正月以降久しぶりの四女 (車のバンパーを製造する
”アイシン”の米国工場にスタッフとして勤務) に会うのも旅の目的の一つでした。 往きも帰りも一日ずつずらして余裕を持った
旅だったので予測されていた程の渋滞に巻き込まれることもなく、スムーズなドライブを楽しめました。(私には、少々長すぎるドラ
イブですがそこは二人なので…。)
その日、8月21日(月)、家族に「”予定”時刻はどうなってる?」と聞くと、「予定ではなく”確定・確実”だよ~」と言われて馬鹿
にされました…。 見ると、ガイドブックには皆既日食が観測できる全米の都市ごとにその確定時刻 (部分日食と皆既日食の始
めと終わり) が細かく秒単位で明記されているではありませんか…。 さすが、科学です!!
娘の住むヘリン(Herrin)という町は、ガイドブックに記載されているカーボンデール(Carbondale)の町の東側15㎞程度離れた
隣町です。
カーボンデールの時間で
11:52am — 部分日食 スタート
01:20pm — 皆既日食 スタート
01:23pm — 皆既日食 終わり
02:47pm — 部分日食 終わり
となっていました。
雲は出ているけど、直射日光はぎらぎら。照りつける灼熱の太陽。事実、実際にとてもとても暑くて少しの合間ごとにしか屋外に
出ておれない。 観察する気分になれない。(摂氏35度くらい)との事なので、さほどでもないように思うのだけれど、直射日光の
あたる部分はとてもそんなもんじゃない。(去年ラスベガスで味わった摂氏45度を彷彿させたくらいだから…。)
事実、”部分日食”から連続して撮影しようとしたのだけど、「Myデジカメ」のボディがかなり熱くなり、異常反応してしまいました
。 なので取り止め。(但し、”皆既日食”前から涼しく感じるような気温に下がったため、カメラを三脚に付けっぱなしにしておい
ても大丈夫でした。)
残念ながら、思いつき、準備不足(三脚も当日、現場のWalmartで何とか調達)のため、専用フィルター無しでいつものMyデ
ジカメ。 娘の用意してくれていた目の保護・観察用のメガネをカメラのレンズ前に置いて撮ろうとしたけど、やっぱり上手くいかな
かった…。 ピントが合わないのできれいな日食の形はダメでした。 まあ、これはプロがどこかで上手く取ってくれたものが後日ア
ップされるだろうから、それに期待することにしよう。 ここは肉眼での映像と肌感覚を味わうことにします。
それこそ手作り感一杯、登場人物がファミリー3人だけの地球イベント動画です。
… 時間的連続性を保つため(皆既日食の”丁度その時”を再現するため)、あえてその時間帯の動画部分は編集無しです。
動画内でも思わず何度も口走っていますが、部分日食が始まるとあの暑さが一変し、この町がまるで急速エアコンをかけた部屋
に様変わりしたかのようでした。この心地よい涼しさがさっきまでの炎天下の中で起きた事は、圧倒的な非日常感、異常感、非
現実、ありえない世界…、でした。 この「過ごしやすさ」は、「部分日食」スタートあたりから始まりその終わり以降しばらく続きま
した。 「皆既日食」、「本番」は町全体がプラネタリュームになった…。 とにかく空想の世界を思わせる。 昼と夜と昼、「ビデオ
を早送りした」感のある3分間でした。
真っ暗という訳ではないけど、星空、星の明るさくらいかな…。或いは、「白夜」と言ったところだろうか…。日の入り・日の出を3
分で経験した、と言う感じかな…? 真っ昼間が夕暮れから夜にかけて薄暗くなりそして朝日が昇る、といったことが2分37秒間
に起きた、ということです。 個人的には、明るさの変化、と同等以上に気温の変化には、考えてもいなかっただけに感激し子ど
もになりました。
私達が、この完璧に体感できた町(Herrin)からの皆既日食は、15マイルくらい離れた町カーボンデール(Carbondale)ではダ
メだった…?
「”その瞬間”は太陽が雲に隠れて見えなかった…」とのライン経由知人の弁。
「わざわざシカゴから5時間かけて来たのに…」と、
その夕刻、今大渋滞で家に着くのはいつになるかわからない、との報。
又、シカゴ近郊で観察していた知り合いからは、
「急に涼しくなったりしたんですね?! シカゴは部分日食でしたので、気温も明るさも変わりませんでしたが、かなりの人数の人
が外に出て、皆で同じことをしていたので、何だか楽しかったです。」
アメリカの遠くの州からも、国外からもこの世紀のイベントのためやってきた人もいるそうな…。
“Get Eclipsed”というガイドブックによると、自然の驚異 (Natural Wonders)のレベルを 「1-10」 のスケールで表すと、
部分日食は”7″, それが皆既日食となると、”1,0000,000″(百万)、即ち、計測不能(チャート外)だとの事。
私達は地球の世紀の一大イベントに出会えて本当にラッキーだったようです。
天体について、これまで興味関心がほぼゼロだった私ですが、その現場・土地に住む娘の誘いが無ければ、そして又、約2週間
前に日本の”星好き”の知人に”羨ましい”と言ってもらえていなかったら…、更には、これまでの私だったら…、等々の ”ない、
無い” をクリアーした結果の”体験発表”です。
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翌日8月22日の朝、シカゴの自宅へ向け帰る前、始業直前の娘にアイシン(本社:愛知・富山)の工場を一通り案内してもらい
ました。 トヨタ等の車メーカーや、製造関連用資材・材料メーカー等の業者との通訳・協議、工場内品質管理、プロセス・コン
トロール等の重責を担わせて頂いている様子。会社のビルに入った途端、”ビジネスモード”となり、口調も態度も一変、写真撮
影は指定の場所と角度以外は厳禁。
私自身、ついこの間まで工場視察を重ねてきた自分に立ち戻った気分でした。
そして改めて今の仕事…、日本の海外進出プロジェクト[日本はこうして元気]を想い、中小零細企業レベルでも、今の時代、
未来進行形で考える者同士がその「得意」と「好き」を持ち寄れば、必ずこのような展開はできる、と確信しました。 だって、事実このように日本の技術・人がより大きな舞台で喜ばれ、活躍できているのですから…。
こんな大きな会社でも、どんなに小さな規模であってもスムーズに予定通りいかないのは当たり前…。 でも、チャレンジの先に
出会う「問題」は「課題」であって、その課題は自分がより良くなるため、成長するために用意されたもの。 だから至極当然。
ビジネスとは「価値を生み出し提供する」もの、であるなら、まずは価値提供のための自身の自己価値を高める、或いはまず、高めるための行動をする。 その価値は誰に向けての価値なのか? こんなことをイメージしながら学習する。 そして行動。これを繰り返せば一歩一歩前進できますね。 できない事が不可能です。
何等かの行動することを通して初めて新しい市場や顧客との出会いがある。即ち新しい市場を生み出すことができる「課題」に
出会うチャンスに恵まれます。価値=問題解決ですから、日本国内で培って来たそのおもてなし精神をもつ私達日本人からみれ
ば、「世界中に価値提供を求める声」がいくらでも見つかるはずです。
日本の「人口減少」の近未来が動かせない事実であり、それは如何ともし難いものである、と言う…。 その一方では、世界は
現70億が2065年には100億人になるとの話…。
中長期で考えると、日本人の「ためだけに」折角のその得意技を発揮する舞台を留めた結果、ビジネスにならない数字に留まっ
て(いって)しまうのでは…? これは、如何にももったいない…。 海外に住む日本人の多くはそう感じているに違いない。
鍛え上げられたその人の価値、即ち「解決法を生み出す、そしてそれを提供する」考え方やアイデア、技術等能力に長けた日本
の人が、「ニッポン一億総活躍社会」をどう具現化するか…。 少し発想の転換ができたらいいな、と思います。
元々海外市場は「総活躍」に門戸を開いています。
日本ほどに男女差や年齢差ではモノを言わない海外の人達に対し、それぞれの得意、問題解決能力を持ってすれば、そして「世界を取りに行く」と言う気構え・心意気で動けば必ずや自分に見合った可能性・選択肢が見えてくる「現在と近未来に既になっている現環境」だと強く思います。
「バランスを取る」ことは多くの日本人にとって得意技の一つです。 私自身、これまでの人生、必要以上に廻りを気にし過
ぎたり等何かに付け比較的バランスを取ることに腐心してきたようにも思います。 が只、今になって自分が「充分ではない」、目指す目標に向けて「”成功者だ”と自分に対し大声で言ってあげられないなら」、それを目指す過程では「バランスを崩す」といった思考が必要だ、と思うようになってきました。 何故なら、時間は有限。 よって短期間の目標達成のためには選択と集中が必須。 そしてこれは「エネルギーの振り向けられたモノが拡大する」という法則に通じているからです。 「行動する」は勿論、「思う」であったり「言葉を発する」であったり、少なくとも自分が何らかの時間を使って何かをするといった場合の全ての自分の「有限エネルギー」を意識して(それこそ有意注意の構えで)活用した方が、より効果的効率的に結果が得られるのでは…?(「法則」とは万有引力と同じくらい確かなこと、人の力ではどうする事も出来ないくらい強力、ということ。誰がやっても同じ、ということ。)
夢を持ち、元気がはち切れんばかりの若い人達の即断即決即行動パターンをみていると、私自身これまで「結構1%の変な人」を自負していましたが、まだまだ…。やれる…かな。  もっともっと「こうあったらいいな」に向かって精進したいと思います。
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8月22日(火)、シカゴへの帰りの道すがら、テレビ局(フォックスTV)のクルーの車2台を追い越しました。カメラを向けると手を振っ
てくれました。 昨日のイベント撮影ご苦労様でした!  でも、昨日の「太陽さん」、時折雲に「お隠れ」になっていました。少し
観察場所が違っただけで、又、数分の違いだけで完全完璧な「皆既」日食のタイミングを逃す可能性もあった訳です。
果たして良い撮影ができたんだろうか?(天のスピードは、秒速1.5キロ、時速5,000キロ以上…だそうですので、これでは「日食
の移動」にはジェット機でも追いていけません…。) 他人事ながら少し気がかりなところでした。