日本は、資源がない国です。
しかし、日本人には、潜在的な能力があると思います。
それは、国民性にもよるのでしょうか。
「器用さ」
が挙げられると思います。
今、ユネスコなどで、話題になっている、「和食」ですが、これも、料理人の技術の賜物です。
日本食は、見て楽しみ、食べて楽しめるものです。
そこには、小鉢料理、お刺身、お作りなども、職人の芸術的ともいえる包丁さばきで、まるで、食べる芸術品になっています。
食玩を多用した、西洋のお菓子の飾りとは違います。
そして、家庭の掃除ロボットのように、とてもアイディア溢れる電化製品もできています。
日本のウオッシュレットトイレも又しかりです。外国から長く日本に滞在した旅行者は、自国に持って帰りたい、という人もいます。
又、今、音楽通の間でしか使われない、レコード針を手作業で製作しているのも、まだ若い一人の女性です。
しかし、問題も多く顕在しています。
このレコード針を作っている職人の方の腕に匹敵する人はまだ他にいません。彼女の技術に、世界の音楽通の運命が握られているといっても過言ではありません。
しかし、この中小企業で、彼女の職人芸は高く評価されているのだろうか。
そう考えると、不安が残ります。彼女が突然いなくなったら、代わりがいないのです。彼女は、やがて結婚し、子供を出産するでしょう。
その間はどうするのでしょうか。
この会社の社長は、彼女に多大な期待と信用を寄せていますが、彼女自身の事を考えてほしいのです。結婚、出産の時に、気兼ねなく休めるように、後輩の育成と、彼女に対する、十分な報酬です。
日本社会では、何かと会社側が
「雇ってやっている」
とのおごりがでるところも多いようですが、一人の社員の技術には相応の対価が必要です。
それが得られずに、利益を会社だけで占めてしまうようでは、職人も、仕事に対しての情熱が失われます。
会社から独立して、その仕事専用の会社を起こす方が余程理にかなっています。
私は、日本人ひとりひとりの技術を、高く、海外へと売るべきだと思います。
日本で生まれ、多くの外国にファンを増やし続けている、漫画やアニメーションも同様です。
安いお金で、職人を使い捨てる状況では、高い作品を作れなくなります。
日本人は、世界へ向けて、卑屈になりがちです。
しかし、これからは、もっと技術大国日本として、世界へ発信するべきだと思います。
又、それにあたって、英語の学校教育も、実践的なものに切り替えるべきなのです。
英語の教育を受けていながら、外国人の観光客が困っている時に、即座に助けられないのでは、世界を相手にできません。
日本人は、又、「思いやり」「助け合い」の文化があります。
老舗旅館のお客へのサービスなどは、外国ではあまり見る事ができません。
日本社会は、現在でも、学歴、コネなどが強い社会です。
しかし、そんな事に囚われていては、成長する事ができません。
個人、個人が、それぞれ、自分の特技を磨いて、それに対して高い評価を得られるような社会にし、それを世界へ発信するのです。
ITに強い人は、それを。
ゲームが好きなら、ゲームつくりに大いに腕を振るってほしい。
漫画が好きなら、漫画を。
そして、農業、酪農、漁業なども、向いている人も大勢います。
何に対してもいいのです。
自分に出来ること、やりたい事をつきつめて、それを海外へ高く売る、そんなシステムが必要だと思います。