ちょっと唐突だったかもしれません。
しかし、日本人の良さの一つを端的にあらわすと、こんな言葉になるのです。
一例としてわかりやすいのは、自然への姿勢。
自然は克服できる、人間の手に収められると考える民族が多い中,日本人は自然にあえて抵抗せず、さりとて服従せず、受け入れるという姿勢をとり続けてきました。
自然と喧嘩しても勝てない、これは日本人にとって当たり前の観念でしょう。
それゆえこの考えがどれだけ特殊で、どれだけのものを生み出してきたか、ということをあまり考えないのではないでしょうか。
この考えが生み出したもの、それは風情です。
四季折々の情緒、景色、それを美しいと思う心、これは日本人誰しもに深く根付いています。
しかしこの考え、この美意識は日本以外ではわりと特殊なのです。
海外の芸術作品で四季にフォーカスを当てたものは、そう多くないのですが
日本の芸術作品で四季を題材としているものは、枚挙に暇がありません。
この美意識が生まれたのには色んな要因があると、時代時代で哲学者は語っています。
もちろん、なぜ生まれたかを研究・考察することは重要だと思います。
しかし自分としては、この美意識を日本人が再認識することが、今は最優先だと考えます。
物質社会の中で精神性を自然に向ける、これが可能なのが日本人であり, それが物質社会に生きた命を吹き込む新たなイノベーションの鍵になるのではないか。
高層ビルと日本庭園が同居している風景をみると、そう感じてくるのです。