海外進出をする上で課題となるコミュニケーション不和の問題

 

 

このブログを書くにあたり、色々な方に取材をさせていただいたりお話を伺う中で、とても多いテーマの一つが

 

「海外でビジネスをする上で生じる価値観の違い、

それらがもたらす仕事への障壁」

 

です。

 

例えば、日本以外の国とビジネスをするにあたって、ビジネスの「速度」が話題になることがあると思います。

 

例えば「あの国はどうも遅いから・・・」ですとか「日本はスムーズで最高だ」や「返事が遅い」または「速すぎる」などです。

そういった「速度」に関する話題の多くは、相手の国の速度感に対する不平不満であることが多いです。
具体的には、以下のようなシチュエーションです。

(1)現地法人を設立して資本を投入した。しかし、法人登記の役所の担当者がコロコロ変わり、全員言うことが異なっていた結果、株主登記を完了するのに1年かかかってしまった。この国はなんて遅いのだろう。

(2)電話回線を引くために電話会社に問い合わせをした。しかし、1ヶ月たっても見積もりが届かない。この国はなんて遅いのだろう。

(3)必要な手続きがあったため、昼食後に役所に行った。しかし、役所の窓口が午後1時半で終了だった。この国の役所はやる気がないのではないか。

(4)商談後、担当者の私は商談内容を持ち帰り、夕方に課長に時間をいただき、商談内容を部長にどのように報告するかを相談した。翌朝、それを踏まえて部長に報告したら、月末の取締役の議題に上げてもらうこととなった。しかし、商談の翌日には先方から回答を急かされた。この国はなんて性急なのだろう。

こういった文句です。皆さんも、身に覚えはありませんか?
さて、あなたにこのような文句を言わせた相手は、本当に「遅くて(または速くて)悪い」人なのでしょうか。

(1)のケースは、担当者をコロコロ変えられないように、最初の1人をがっちり捕まえ、顔と名前を覚え、携帯電話番号を交換して個人的に仲良くなり、役所に行くたびその人以外には一切話さないという態度を貫いていたら、どうでしょう。担当者ごとに二転三転する要求に振り回されることなく、もっと迅速に完了した可能性があります。

(2)のケースは、電話会社に問い合わせをするのが本当に正しいルートだったのでしょうか?もしかしたら、総本山である電話会社ではなく、あなたの会社のご近所に小さな事務所を構える代理店さんが、地域の営業を担当しており、そちらの方が売り上げに熱心で、迅速に対応してくれる可能性があります。

(3)のケースは、国によってオフィスアワーは全く異なります。夕方の店じまいが早い国は、そのぶん朝がとても早い場合が多いでしょう。また、曜日感覚も異なり、例えばイスラム圏では金曜日がお休みです。特にイランは木曜と金曜がお休みで、土曜日が週始めとなります。進出させていただく私たちが、その地の文化をよく理解していたら、適応できるはずです。

(4)のケースは、商談相手は、一生懸命プレゼンして見せた相手はあなたなのに、あなたが決めてくれないことに驚いているかもしれません。もしくは、決定権のない人間が商談に来ていることに対して「重役を連れてくるに値しない商談だと思われているのか?」と不満がっているかもしれません。または、社に持ち帰って検討することに対して、せいぜい上司はひとり(1段階上)のイメージかもしれませんね。

相手国の時間感覚に対して文句を言いたくなったときは、逆に相手の目線に立って、私たち「日本人」はどう思われているかも想像してみてはいかがでしょうか。

私が欧米・中東・アジアにてビジネスをした経験上、どの地域の方からも思われているのが「日本は、手続きが速いけれど、意思決定が遅い」です。
なんとも心当たりがありませんか?

なお、日本のスピード感と当該国のスピード感の差をいちばん理解できるのは、矢面に立っているあなたです。
当地の事情を日本の本社に理解してもらうのは諦めてしまい、「ならばどうするか?」に集中した方が精神衛生上よいです。
バランスとりが自分の役目だと肚をくくり、調整に努めていきましょう。

 

 

 

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