「関数電卓」をご存知でしょうか?
一般的な電卓の機能の他、平方根や三角関数、指数・対数などの複雑な計算ができる電卓です。
高機能な商品になると、方程式の解を求めたり、行列やベクトルの計算ができたり、
統計計算、表計算機能がついていたりします。また、プログラム機能がついている
「プログラム関数電卓」や、グラフを出力できる「グラフ関数電卓」もあります。
時間のかかる本格的な計算はコンピュータを使っておこなうのでしょうが、
工学・技術などの理系分野においてちょっとして計算をするのに重宝されているのが、関数電卓なのです。
さて、この関数電卓ですが、実は世界の教育市場で重宝されている存在でもあります。
日本では、学校教育において電卓を使う機会があまりありません。
日本人は計算するスキルに重きを置いているため、そのような傾向があるのではないかといわれています。
ところが海外では、面倒な計算は電卓にやらせて、人間は「何を計算するのか」
「どういうアルゴリズムを用いるのか」に重きを置いているといわれています。
そのため、各種の関数電卓が教育市場で活躍しているのです。
ちなみに、スーパーの棚にペンや三角定規などと同様に関数電卓が並んで販売され、
学校の授業に必要なツールとして取り入れられている国も多いようです。
そしてカシオ計算機は関数電卓を海外展開しており、2017年の発表によると、
その直近10年で年間販売台数を約1.5倍に拡大し、2016年は世界で2500万台を出荷したそうです。
海外展開は大成功で、世界100ヶ国以上の教育市場でCASIOの関数電卓が使われているとのことです。
なおその内訳は、米国が3割、欧州が1割強、残りをアジアと中南米と中東で3分割したような状況で、
日本はきわめて少なく、一部の大学生と技術職にしか使われていないと推測されています。
2019年4月7日現在、Amazon.com(米国)で「scientific calculator」と検索してみると、
上位からTexas Instruments(以下、TI)製品、CASIO製品、CASIO製品、TI製品、
CASIO製品、TI製品、TI製品、CASIO製品、TI製品、TI製品が表示されます。
上位10製品をTIとCASIOで分け合っており、高い知名度を誇っていることがうかがえます。
出荷台数を考えると日本国内では地味な存在であるCASIOの関数電卓ですが、
海外展開して大活躍している商品なのです。
*参照外部サイト
CNET Japan:カシオが語る関数電卓のいま–「国内では地味な存在だが、海外では大スター」https://japan.cnet.com/article/35097874/
https://www.amazon.com