日本人は昔から緑茶を愛してきました。
茶道をはじめとする歴史と伝統が融合した文化もあります。
そんな日本の緑茶ですが、ここ数年国内市場が縮小傾向にあります。
コーヒーや紅茶など海外産の競合商品が増え、若い世代を中心に「お茶離れ」が進行しているともいわれています。
一方、暗いニュースばかりではありません。
海外の緑茶市場は年々拡大しており、日本産の安全で健康的な緑茶はにわかに脚光を浴びているのです。
緑茶の海外展開は、欧米向けとアジア向けで異なる戦略を取っています。
欧米では、緑茶は健康に良いというイメージによって好意的に受け入れられています。
特に、肥満が国家的な問題となっているアメリカでは、カロリーの低い緑茶への注目度が上昇中です。
スターバックスは、全米の多くの店舗で緑茶を取り扱うようになり、伊藤園の「おーいお茶」のペットボトルも売れ行き好調のようです。
また、抹茶味の加工食品も人気を高めています。
糖分が多くカロリーが気になるアイスやお菓子も、抹茶入りだと健康的なイメージを与えることができます。
日本の緑茶のもつスマートな印象が、ニューヨーカーらオーガニック志向の都会人に熱狂をもって受け入れられたと言えます。
アジア圏では、緑茶に砂糖を加えることによって市場を開拓しました。
アサヒ飲料のインドネシアでの海外展開戦略がよい例となります。
日本では、緑茶に砂糖を加えるなんて考えられないことです。
しかし、東南アジア圏でお茶類に砂糖を大量に加える習慣がありました。
特に、イスラム教徒が多いインドネシアでは、ラマダン(断食)月には日中飲食を断ち、日没後にたっぷり糖分を含んだお茶を補給する習慣がありました。
アサヒ飲料は、砂糖を加えたペットボトル入り緑茶を販売することで、現地の人々の心をつかみました。
相手に合わせて商品に手を加える柔軟な発想も、海外展開には必要になるのですね。
日本政府も、攻めの農林水産業の重要品目のひとつに緑茶を指定し、民間企業の海外展開を支援しています。
台湾、香港、中国といったお茶の本場と言われる地域でも、日本製品の安全性が信頼され、緑茶の注目度は高まっています。
和食全体が海外でブームを巻き起こしていることもあり、これからも緑茶の海外需要はますます高まってくることが予想されています。
それだけに、日本人の中で緑茶離れが起きているのが残念でなりません。
今後は、海国内でも緑茶人気を盛り変えるための新しい取り組みに期待したいと思います。
参考サイト
日本経済新聞の記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO91216320R00C15A9000000/
日本茶輸出促進協議会
http://www.nihon-cha.or.jp/export/