今回は恐るべき名古屋企業をおすすめします。
現在世界には、色々な肉食文化があります。
ステーキの様に大きな塊を焼いたり、あるいはトルコのケバブの様に
串に刺した肉を回しながら焼いたり、あるいはソーセージのように
ひき肉を腸詰めにしたり、色々です。
日本人は明治時代まで、ほとんど肉を食べていませんでした。
なぜなら、日本の多くの地域は海からそれほど遠くなく、
干物などにすれば海の魚を痛む前に届けられる距離にあったからです。
また、鶏肉にしても品種改良以前の鶏は成長が遅く
今ほど頻繁に食べられるものではありませんでした。
明治以降の肉食の中で興味深いのは肉の切り方です。
というのも世界を見ると同じ東アジアの韓国にしても中国にしても、
またオーストラリアやヨーロッパにしても、
日本のように一口サイズに切り分けたものを焼くというのは無く、
例えば韓国はハサミで焼けた肉を切りますし、
ヨーロッパ、アメリカ大陸も、塊を焼いて自分のナイフとフォークで
切り分けて食べます。ですから海外のスーパーでは、
日本のスーパーの様に精肉コーナーの担当の人が売れ行きを見ながら
肉をスライスしてパック詰めする売り方というよりも、
部位ごとに並べてそれを消費者は買っていくというような売り方をします。
つまり日本の肉の焼き方は日本独特なものですから
多くの外国人は日本の焼肉のような食事方法はしません。
しかし近年の日本食の海外での人気で、日本式の焼肉が海外に広まり
それに伴い、ある企業が海外展開で、勝機を見出しています。
愛知県名古屋市名東区に焼肉用の無煙ロースターで
世界トップシェアのシンポ株式会社があります。
この会社はJASDAQに上場している製造業で中国とアメリカに
海外展開しています。この企業がすごいのは売上高が
過去5年上がり続けており、当期純利益率も
過去5年上昇を続けています。
愛知県の愛知ブランド企業にも認定されています。
日本のような一口サイズの焼肉を食べるという国は
海外ではほぼ無く、現地の日本料理店くらいしか
この無煙ロースターは購入者がいません。
ということは日本という日本式焼肉の本拠地を抑えているシンポは
生産台数のシェアをすでに取っているということで
海外の新規参入企業に対してコスト面で優位にたっていて、
海外展開するという外国でのハンデを乗り越えることができると思います。
企業が海外展開する中で重要なのは現地への適合性です。
例えばメキシコのタコスはおいしいですが、
日本ではそれほど受け入れられておらず日本国内で食べられる
場所はそれほど多くありません、しかし一方でケチャップと
マスタードという普遍的な味付けをしているハンバーガーは
チェーン店が世界中に存在しています。焼肉を食事として見た時、
焼肉がファストフードに近いことに気づきます。
なぜなら並べて焼いた肉を焼け次第甘辛いタレにつけて
食べるというものだからです。これは食文化としてみた時、
その地域の人の味覚に合わせてタレの味を変えられる
ということを意味しますし、焼いた牛肉は豚肉などと
比べて宗教上の制約も少ないです。
また、食事にかける時間は注文に応じて変わりますから、
コース料理などとは食事に掛ける時間も短く済みます。
同社は日本食の海外普及の中で最も恩恵を受ける
企業のひとつになると考えます。
日本という独占状態の市場と、自動車産業やコンピューター業界とを
比べて激しい競争のない市場は、シンポ株式会社を
世界展開させるのに十分な理由となります。
参考)
シンポ株式会社 http://www.shinpo.jp/index.html#category=&keyword=&page_custom=1