海外進出成功事例として、茨城県龍ケ崎市にある甘納豆製造・販売メーカーの「株式会社つかもと」をご紹介します。
つかもとは1939年創業、茨城県の南部にある龍ヶ崎市で創業された従業員35名、売上高2.5億に及ぶ甘納豆メーカーさんです。
およそ80年もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高い甘納豆メーカーさんではありますが、国内市場の縮小に危機感を覚え、海外進出によって同社の可能性を広げることに可能性を感じた代表取締役社長 塚本裕氏は海外進出を決断しました。
つかもとは、会社のHPにもあるとおり、創業およそ80年という実績と、常により高いレベルの製品、技術への挑戦を続けており、うずら・あずき・白花などの豆類を材料とする”王道”の甘納豆はもちろん、ゴボウやカボチャといった野菜を使用した甘納豆も手がけ、商品は実に30種類にものぼります。
同社はサツマイモと林原(岡山市)が開発した「マルチトール」という甘味料を使用し、「ノンシュガーの甘納糖」づくりに乗り出しました。マルチトールは通常より30%ほどカロリーの低い糖アルコール。甘みも通常の砂糖より控えめです。ほんの少しアッサリした味になりますが、砂糖を使った甘納豆と ほとんど変わらりません。糖尿病患者の方や摂取カロリーに注意が必要な方にも楽しんでいただけます。つまり、同社の製品は体にも優しい製品だと言えます。しかし、そのように顧客のニーズを大切にしてきたつかもとが海外進出を決めたのが、今から遡ること8年ほど前、2010年ごろになります。
つかもとが海外進出を決めた大きな要因は、縮小する国内市場に対して危機感を持ち、同社がもつ多岐にわたる商品と健康志向の商品を海外進出によって多くの国々に展開することに可能性を感じた点にあります。平成19年10月には、地域産業資源活用事業計画の認定を取得し、甘納豆商品のimoshokuなどの新商品の開発に着手し、同商品については、平成21年以降、APEC中小企業会合において紹介されるとともに、アジア最大級の食のイベントFOODEX JAPANにおいても6回以上出展PRを行い、「米国人ジャーナリストが選ぶ日本食品10選」にもされ、これらの効果によりこれまでにアメリカ・香港を中心に500万円の輸出に成功しました。平成25年には、JAPANブランド育成支援事業にも参画し、シンガポールの展示会 (計3回) 「Oishii Japan」の茨城県ブース出展や、ベトナム等東南アジアの展示会にも出展しています。つかもとのこうした取り組みによって、商品が持つ歴史と品質を評価するアジア圏等などの海外展開が可能になり、わずか35人の従業員数でありながら、つかもとは徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。
つかもとによるこれらの取り組みを可能にさせたのが、展示会出展支援やJETROによる相談窓口といった他のコミュニティや専門家との積極的な交流にあります。
同社は今後、これまでに引き続いて、常に海外進出先の現地のトレンドとニーズ把握し、顧客のニーズに合った製品作りと、知名度や取引先の拡大の両目標に向けて動いていくそうです。
(参考/引用元)
・つかもとHP: http://ama710.com/duties.html
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_13.pdf