海外進出成功事例として、鳥取県米子市にある和菓子製造メーカーの「丸京製菓株式会社」をご紹介します。
丸京製菓は1958年創業、鳥取県の中心部米子市で創業された従業員215名、売上高30億に及ぶ和菓子製造メーカーさんです。
半世紀以上もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高い和菓子製造メーカーさんではありますが、既存販路への依存に対する危機感や自社ブランド商品中心への変革の必要性を感じていた代表取締役社長の鷲見 浩生氏は海外進出を決断しました。
丸京製菓は、年間、1億2千万個のどら焼きを生産し、全国のスーパーマーケットを中心に納品する「世界一の生産量を誇るどら焼き屋」であり、本格的に「丸京」ブランドでの展開をはじめ、日本全国に同社の製品が行き渡っています。そのような中で、丸京製菓が海外進出を決めたのが、今から遡ること15年前、2003年になります。
丸京製菓が海外進出を決めた要因として、既存販路への依存に対する危機感や自社ブランド商品中心への変革の必要性を感じたなかで海外進出によってさらなる可能性を見出せると感じたことにあります。平成14年5月の自社ブランド「菓子庵 丸京」中心の経営に着手すると、翌年の平成15年8月に本格的に海外事業をスタートさせます。
翌年の平成16年には、海外事業の一環としてUSA・韓国・台湾・香港にてプロモーションを実施し、さらに2年後の平成18年には海外事業フード台北にて大プロモーション
USAを行い、同時期にはロサンゼルスにて現地駐在員を採用しました。これらの取り組みの結果、同社はアジアやアメリカなど多くの地域における海外進出を深化させていくことに成功しました。そして、平成21年11月には、これらの成果が認められ、FHC CHINAにて「農林水産大臣賞」「経済産業大臣賞」を獲得すると、平成25年4月には、FSSC22000を取得し、更なる輸出拡大へとつながるきっかけとなりました。そして、ついに平成27年7月には輸出売上過去最高を記録しました。そういった背景も味方につけながら丸京製菓が行った様々な地道な努力の結果、215人の従業員数でありながら、丸京製菓は徐々に知名度と販売数、そしてブランド力を伸ばしていきます。
丸京製菓によるこれらの取り組みを可能にさせたのが、JETROによる相談支援や、展示会出展支援といった他の団体とのネットワーク構築です。同社は、とにかく人と人の繋がりを重要視しており、アメリカやアジア進出の際にも常に他の組織とのコミュニケーションを取ることを心がけていました。同社は常に取引先の情報を得ること、また、信頼できるパートナーを見つけることに加えて、粘り強く営業を重ねることを大切にしてきたとおっしゃいます。
同社は今後、輸出に関して他の組織からのアドバイスを活かし自社の製品を海外進出させ、これまでに引き続いて「世界一の生産量を誇るどら焼き屋」として、高品質で安心と信頼を顧客に与えることができる製品をリーズナブルな価格で提供できるよう努めていくそうです。
(参考/引用元)
・丸京製菓HP: http://www.marukyo-seika.co.jp/about-us/history/
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_43.pdf