海外進出成功事例として、広島県熊野町にある筆製造メーカーの「株式会社瑞穂」をご紹介します。

 

瑞穂は1980年創業、広島県の中部安芸郡熊野町で創業された従業員32名、売上高3.4億に及ぶ筆製造メーカーさんです。

30年以上もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高い筆製造メーカーさんではありますが、自社ブランドの確立と販売強化をより強く行う場を海外進出によって海外市場に見出した代表取締役社長の尺田 泰吏氏は海外進出を決断しました。

 

瑞穂は、熊野筆のすぐれた伝統技術と職人魂(クラフトマンシップ)を継承し、優れた品質のブラシを開発し市場に提供し、ブラシの提供を通じて世界の人たちの心と生活に潤いと彩りを与え、社会に貢献するという企業理念にもある通り、伝統的な熊野筆を多くの製品として応用する形で伝統と現代のニーズをうまく合わせた製品を多く製造しています。現在では伝統に裏打ちされた熊野筆の技法で造られた化粧筆は、欧米のメークアップアーティストなどに愛用されいるなど国内外からの注目度も高く、直接販売のノウハウを獲得することによって、顧客からの様々な要望にも応えています。そのような中で、瑞穂が海外進出を決めたのが、今から遡ること11年前、2007年になります。

 

瑞穂が海外進出を決めた要因として、国内市場の縮小化が進む中で自社ブランドの確立と販売強化をより強く行う場として、海外進出によって参入する海外市場に可能性を感じたことにあります。平成19年、国内市場が縮小傾向にあったため、海外への直接輸出を決断すると、同年には地域資源活用支援事業(中企庁・〜5カ年)の認定を受けます。すると、翌年の平成20年には、自社ブランドである「mizuho brush」を確立しました。順風満帆かに思えた矢先、同年11月に海外にて初出展した香港美容展示会において何の成果も得られないというまさかの展開に陥ります。しかし、ここで諦めずに同社は翌年の4月には、JETRO有望案件発掘事業の認定を取り付けるとともに、専門家からのアドバイスを活用して展示会出展対応と輸出体制を整備しました。そして、平成25〜26年には、小規模持続化補助金に採択され、欧州への販路開拓や外国語HPの開設などブランド力の強化と知名度の拡大を両立させていきました。その結果、欧州からの問い合わせが増加し大きな成果を得ることができました。また、平成27年11月には、新ブランドを立ち上げ、SNSやHPから多くの問い合わせがあったそうです。そういった背景も味方につけながら同社が行った様々な地道な努力の結果、32人の従業員数でありながら、瑞穂は徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。

 

瑞穂によるこれらの取り組みを可能にさせたのが、JETROによる相談支援やJETRO輸出有望案件事業、貿易実務オンライン講座の受講や中小機構によるF/S支援事業他の団体とのネットワーク構築です。同社は、とにかく人と人の繋がりを重要視しており、アメリカ進出の際にも常に他の組織とのコミュニケーションを取ることを心がけていました。同社は常に取引先の情報を得るのみならず自社の会社の製品情報も広く発信することを大切にしてきたとおっしゃいます。

 

同社は今後も、アドバイスを活かし自社の製品を直接輸出の形で海外進出させ、これまでに引き続いて高品質で安心と信頼を顧客に与えることができる製品をリーズナブルな価格で提供できるよう努めていくそうです。

 

(参考/引用元)

・瑞穂HP: http://www.mizuho-brush.com/about/mizuho/index.html

・中小企業庁:

https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_7.pdf