海外進出成功事例として、愛知県一宮市にある繊維製品の染色加工業メーカーの「株式会社ソトー」をご紹介します。
ソトーは大正12年創業、愛知県の西部一宮市で創業された従業員265名、売上高67.2億に及ぶジュエリー、アクセサリー製造・販売メーカーさんです。
約一世紀もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高い繊維製品の染色加工業製造・販売メーカーさんではありますが、中国へとシフトが加速する仕事を取り戻し世界市場を狙いたいと考えた代表取締役社長の高岡 幸郎氏は海外進出を決断しました。
ソトーは、国内有数の毛織物産地である「尾州」における、染色加工業の中心的企業。自社の加工技術を最終製品に最大限に活かすため、生地製造や製品企画も手掛け、自社をコアとするサプライチェーンを形成しており、国内で展開する高付加価値製品の製造に加え、世界市場におけるボリュームゾーンを狙うため、繊維製品製造が増加するベトナムにおいて、国営企業と業務提携し、スーツ向けウール生地の生産拠点を確立しました。また、TPPを活用し、ベトナムから米国への輸出を視野に入れるなど、原産地規則を満たすグローバル供給網の実現を目指しています。そのような中で、ソトーが海外進出を決めたのが、今から遡ること11年前、平成19年になります。
ソトーが海外進出を決めた要因は、中国へとシフトされつつあった仕事に対する危機感と、海外進出による世界市場への参入を目指したいと言う同社の社長の思いからでした。平成19年、ソトーはテキスタイルの製造・販売事業を新設し、染色加工に加えて、生地製造も開始させることで事業を拡大させました。平成21年には、尾州産地のテキスタイルメーカーから事業譲渡を受け、さらに2年後の平成23年にはアパレル企業とテキスタイル企画・販売に関する合弁会社を設立することとなります。ここから、ソトーは自社を中心とするサプライチェーンの形成を図ることで積極的に海外進出への道を開き始めたのです。翌年の平成24年には、海外生産のための提携先を模索し始め、翌年の平成25年についにベトナムの国営企業との業務提携にこぎつけました。そして、平成27年ベトナムにおいてテキスタイル生産を開始し、初年度は1億円の売り上げをあげています。ソトーこうした取り組みによって、商品が持つ歴史と品質を評価するアジア圏等などの海外展開が可能になり、わずか265名の従業員数でありながら、ソトーは徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。
ソトーよるこれらの取り組みを可能にさせたのが、JETROの相談窓口といった他の団体による支援事業です。同社は、とにかく人と人の繋がりを重要視しており、現地のトレンドやニーズを拾うには、やはり現地に出向くしかないとおっしゃっています。また、ソトーが⻑年培った「感性技術」を活用し、 官⺠の連携・サポート体制のもと人々の期待に応えたいという思いも重要な要素ではないでしょうか。
同社は今後、これまでに引き続いて、常に海外進出先の現地のトレンドとニーズ把握し、さらなる海外進出による知名度や取引先の拡大に向けて動いていくそうです。
(参考/引用元)
・ソトーHP: https://www.sotoh.co.jp/company-n/index3.html
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_24.pdf