一度断られても、場所や人を変えて再チャレンジすれば可能性はあるかも?

海外進出にあたって、現地の市場や同業他社のリサーチや登記、届出などは必須。

ところが、カウンターパートとなる役所の人は、日本よりも対応が一定でなく

人、事務所の忙しさ、その人との関係性によってもずいぶん左右されます。

今日は私の体験談を共有したいと思います。
まずは海外進出にあたり、登記と共に、納税関連の書類を整える必要がありました。

税金の申告はオンラインのフォーマットで行うように整備されており、申請書も個人、

国内事業者、海外事業者と分かれていました。

海外事業者枠は登録時の出費や提出させる書類が多い分税制では優遇される部分もあり、

海外進出をする企業は、大きい企業はだいたいこの枠で取得します。

そうでない中小企業は現地の事業者という形で登録するケースが多かったです。
私達の場合、現地の事業者という形で新規に登録する方法を選び、

納税のための申請を行うことにしたのですが、ほぼ同時並行での業務だったため

書類が揃わない中の申請となりました。

初めに申請した首都の本部は長蛇の列。1時間以上待ってようやく自分の番になるも、

にべもなく「書類を全部揃えてからおいで。オンラインのエクセルフォーマットを全部埋めてからだ」

と断られてしまいました。現状を相談すると、「それじゃあ現時点での申請は無理だね」とのこと。
ところが、その3日後、今後は視察で訪れた地方の中核都市にもその機関の支局があることが分かり、

相談に行くと、人はがらがら。担当の職員さんはその地方ではめずらしい黄色人種の私を歓迎してくれ、

「え、揃ってない?でももう申請は始めてるんだよね?しょうがないなあ、今回だけだよ」と、

なんとその場で職員さんのアカウントで必要書類を全て揃え、肝心な申請番号があるところは

全て白紙のまま、納税番号を発行してくれたのです。

恐らく他の人も多い首都では不公平感の解消のため、一律の規則に従わなければならないのですが、

地方の都市ではこんなにも融通が利くこともあるのか、と驚きました。

 

また、こんなこともありました。今後の海外進出の中長期的なプランを練るため、

ニーズ調査、同業の他組織の把握をするべく、データを公の機関に閲覧させてもらえないか

相談すると、にべもなく「無理だ。時間がかかる」との回答でした。
「それでも」と食い下がると、「目的と利用範囲を限定した上で申請するように。

それにそって集計したデータを共有する」と言われます。
本来はそこで引き下がるべきでしたが、今後どのような方向に行くのか確定しておらず、

できれば生データの形で欲しい状況でした。
そこで翌日、その部署の別の担当の人に会う機会があり、

前日に別の担当者に断られていたにもかかわらずしれっと

そんなことなどなかったかのような顔で相談してみました。
「いずれはこういう事業をしたいと思っていて、そのために海外進出の計画を統括する

トーキョーの本部を説得できるようなこういうデータがほしい」と熱く頼み込んだところ、

とても同情的に聞いてくれた。そして、なんととんとん拍子にデータをそのまま渡してくれたのです!

 
こうして、そもそも利用者の数や実態が把握しづらい分野だったが、

何とかデータをもとに事業企画書を作成することができました。

日本以上に、現地では経験や情報が担当者、個人で蓄積されたまま、

組織内での情報共有が遅い(もしくはされない)ため、ダメ元でも別の担当者に頼んでみると、

案外話が分かる人だったりすることもあるのだな、と学んだエピソードでした。