海外進出成功事例として、高知県土佐市にある電子部品メーカーの
「株式会社土佐電子」さんをご紹介します。
土佐電子は昭和58年創業、高知県土佐市で創業された従業員275名、売上高16億に及ぶメーカーさんです。
四半世紀以上もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高い電子部品メーカさんではありますが、 ベトナムから同社へやってきた留学生との交流によってベトナムに対して興味を抱いた社長の辻 韶得氏は海外進出を決断しました。
土佐電子は、電子部品の組立アセンブリー等の業務が日本から海外へシフトされるなか、創業以来、20年以上にわたって 培ってきた独自の製造ノウハウをもとに、短納期・小ロットの電子基板の加工・組立・調整・検査・ご指定場所への出荷までの一連の業務を完全にサポートし、自社が生命線と位置づけている高品質な商品の提供を常に行っています。そのような中で、土佐電子が海外進出を決めたのが、今から遡ること15年前、2003年になります。
土佐電子が海外進出を決めた要因として、従業員の中にベトナムからの留学生がいたことがきっかけとなり現地での視察を行なったことにあります。平成15年には、地域の先達企業として、同社初の海外進出となるベトナムのホーチミンに駐在事務所を開設しました。それからおよそ2年半が経った平成18年4月には同ホーチミン事務所を統合して、タンビン工業団地に TOSADENSHI VIETNAM,LTD.を設立し、新工場を開設しました。そして、この新工場を利用して、日本での主力受注先の一部工程を移管・生産できました。さらに、平成21年には同工業団地内に第2工場を開設し、ベトナムでの生産に対し大手メーカーからの新規取引の引き合いが増加しました。2年後の平成23年には日本のソフト開発と共同で現地ソフト会社を立ち上げ、この際には日本語による受注を可能にし、コスト削減に取り組んでいます。こうした取り組みによって、商品が持つ歴史と品質を評価する欧州やアジア圏等などの海外展開が可能になりました。そういった背景も味方につけながら蔵元が行った様々な地道な努力の結果、275人の従業員数でありながら、土佐電子は徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。
土佐電子によるこれらの取り組みを可能にさせたのが、JETROによる相談支援や、商談会支援といった他の団体とのネットワーク構築です。同社は、とにかく人と人の繋がりを重要視しており、ベトナム進出の際にも常に現地とのコミュニケーションを取ることを心がけていました。また、ベトナムでの社員の親族の冠婚葬祭であっても辻社長をはじめ幹部の方々は必ず参加し、日本と同じくらい人情を重んじるベトナムに対しても密に関わることを大切にしています。
同社は今後、日本の技術力とベトナムでの若く元気な労働力をドッキングさせ、これまでに引き続いて高品質で安心と信頼を顧客に与えることができる製品をリーズナブルな価格で提供できるよう努めていくそうです。
(参考/引用元)
・土佐電子HP: http://www.tosadenshi.co.jp/a-03.htm
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_31.pdf