中国でビジネスを展開されている方からリアルな体験談を交えての

現地の方々との関わり方についてお話をいただきました。

 

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日本で生活している時には全く概念がなかったのですが、
海外進出をして、現地で経営をしていく際につくづく考えさせられたのが性善説と性悪説。
僕が事業を展開している中国上海では国家が性悪説をに基づいて治安維持を行っているモデル地区と言っても過言ではありません。
街のあらゆるところに約10mごとに監視カメラが設置してあり、問題を起こせばすぐにつかまります。
録画資料を見せられて、反論する余地がなく起訴。そのため上海市内の治安はとても良いです。

世界第二位の経済大国になって久しい中国。
海外進出の候補地としては夢のような経済規模を持った大国です。

中国で事業を起こす場合には社内の管理システムに性悪説の概念を徹底して取り入れることが必要です。
この感覚は現地で事業を行う責任者(特に経営者の感覚を持ち合わせていない人材ではこの職責を全うすることは難しい)が肌で感じ、
その管理システムにかかる費用について、現地法人の責任者として本社に説明、承認を得るべき重要な点です。
理由は徹底的に性悪説に基づいて管理システムを構築することが、現地法人の利益の最大化を継続的に生み出す根幹となるためです。
逆に言うと徹底的にやらないと、現地法人の利益を搾取する輩にスキを突かれ、売上が出ているのに利益が残らない。
誰のために事業を行っているかわからなくなります。

平和な日本の性善説の中で暖かく過ごしてきた我々日本人にとって、
中国に海外進出をする場合、性悪説を意識せずに事業に取り組むことは、非常に危険です。

僕は上海で飲食事業で実店舗を複数店経営しています。
その中でも実経験した失敗談を連載していきます。

今回は第一回目、海外進出で注意するべき「現地の人との信頼関係の作り方」です。
もちろん当時、僕は性悪説を意識していなかったばかりか、
現地人との信頼関係の作り方にまで性善説のまま取り組んだため、本当に大変な思いをしました。
ご存じのとおり飲食店というのは売上が食品(食べ物)と飲料(飲み物)に大きく分かれます。
大体、売上に対する各割合が食品65%~70%、飲料30%~35%です。
毎月この割合に大きな変化がないか、などを俯瞰して観察し、異常値にならないまえに新メニュー投入、イベントなどを企画していくのです。
ところがある年の7月ころからじりじりと全体の売上が下がり始めました。
暑い時期なので、はじめはまぁそんなものかな。と重視していなかったのですが、
7月の売上に対する各割合が食品75%、飲料25%だったのです。
通常ですと暑い時期に売上が落ちる場合、
食品の売上が落ち、飲料の売上が伸びる。売上に占める食品の割合が落ち、飲料の割合が上がるのです。
ちょっと気になったのでベンチマークをすることとし、この時は特に責任者を詰めるようなことはしませんでした。
念のため、付け加えますがこの時性善説しか知らない僕は
まず僕が従業員を信用することで信頼関係を築いていこうと無意識に思っていました。
よって監視カメラの設置や必要以上の厳格な棚卸(通常の棚卸はもちろん実施)は行っていませんでした。

ここからびっくりするようなことが起こります。
ご想像通り、8月はもっと数字の状況が悪くなったんですね。
皆さんの大好物の不幸の味の始まりです。
8月は売上に対する各割合が食品80%、飲料20%。
さすがに異常値だったので、
バーマネージャーが休みの時と出勤している時の日次売上推移、
店長が休みの時と出勤している時の日次売上推移を比較して問題点を抽出。
隠しカメラを設置して、数日間泳がせることにしました。
ここで僕の性善説の概念は崩壊。
当時僕が作った社内管理システムは何の役にもたっていないことがわかったのです。
手口はこうです。

まずバーマネージャーと店長はグル。
バーの奥底に彼らが自分たちのお金で購入した、飲料の在庫が隠してあったのです。
店内のメニューの中で売れ筋で仕入れ価格が安いもの。
お客さんから飲み物のオーダーが入ると、
自分たちの在庫から商品を提供するか、お店の在庫から商品を提供するか仕分け。
会計時、現金決済のお客さんでかつ自分たちの在庫にある飲料をオーダーした場合、
自分たちの在庫からお店の在庫に飲料を補充して、現金売上を着服。

つまりこの場合、飲料の売買自体が存在しないことになるのです。
飲料の売上も立っていないし、在庫も減っていない。
唯一、取り消し伝票が多くなるので、店長が注意を払っていたようです。
お店の中に従業員が経営しているバーが入り込んでいるようなものです。
これは隠しカメラを設置し、かつ社内にスパイを派遣し、かつ桜のお客さんを数日に分けてお店に行かせて
やっと全体像をつかんだのです。

これは社内の管理システムが不十分ということに付け込まれた大きな問題となりました。
また、僕が行っていた、まず従業員を信じる、ということにも見事に付け込まれた痛い経験となりました。
僕自身も自分の管理方法に甘さや厳しさが足りないと実感できたエピソードとなりました。

海外進出時、現地での信頼関係の築き方というのは
彼らがよこしまな考えを持たずに、集中して業務に専念できる環境を提供することなんだと
実体験から学びました。

次回は取引先(食材の納入業者)との癒着エピソードです。

 

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