海外進出成功事例として、青森県平内町にある水産食料品メーカーの「有限会社アラコウ水産」をご紹介します。
柏崎青果は1986年創業、青森県の中部平内町で創業された従業員21名に及ぶ水産食料品メーカーさんです。
設立から四半世紀ほどと歴史は浅いものの、代表取締役社長の荒川幸一氏は海外進出を決断しました。
柏崎青果は昭和61年の設立以来、ホタテのヒモ等未利用部位や、規格外の干しナマコを活用し た加工商品を開発してきました。
冷蔵・冷凍が一般的な海外市場において、常温で扱うことができるレトルト加工品を展開する点が海外進出のきっかけとなり、
2005年ごろから、中国等では高級品とされる干しナマコへの需要に対応する形で海外展開を拡大しました。
さらに、干しナマコを足がかりに、同社の本来の主力製品だったホタテの加工品の輸出も増加させていきました。
少しでも青森県の水産食料品の良さをより多くの地域に伝えたいという同社だからこその英断であったと言えるのではないでしょうか。
また、成功の裏には信頼できる通関会社の存在があると言えます。
2005年の海外進出からおよそ1年後には、輸出業者を紹介してもらい、この通関会社に配送を一任することで、
安定的な供給というものを可能にしました。同社は中小企業地域支援プログラムなども受けており、
まさに一つのチームとして海外進出を成し遂げたのではないでしょうか。
海外進出を開始した当時は、主に中国へ主力製品を輸出したり、
中国の広州や香港での試食会にナマコ加工品の試作を持ち込んだりしていましたが、
さらにこの海外進出を加速させる事業を始めました。
それが、同社の中国語、英語版のホームページの開発です。
その結果、海外からの問い合わせや閲覧数が急増し、知名度やブランド力を高めることができました。
そして、ホームページ開設ができた大きな要因が、小規模持続化補助金に採択されたことであると言えます。
TPPなどの影響で海外に目を向けなければ将来性が見通せないと考えた経営者が、
真っ先に目を向けたのがホームページを開設することを通した海外進出でした。
小規模持続化補助金をホームページ開設のために使用することで、この海外進出への足がかりとして機能させていったのです。
そういった背景も味方につけながら同社が行った様々な地道な努力の結果、
たった21人の従業員数でありながら、アラコウ水産は徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。
平成27年からは中国の他にも、台湾へも販路開拓を実施し、国内外問わずホームページ等でPRを行い、販路を拡大しました。
また翌年の平成28年の10月には、この輸出の生産ラインを強化するため、HACCP工場を建設しました。
これによりより多くの国々や地域への配送が可能となったのです。
同社は今後もアメリカなどへも輸出を拡大する予定となっています。
同社はさらなる販路開拓を目指し、中小企業地域資源活用プログラムや中小企業ハンズオン支援などの支援施作を活用することで、
生産や知名度を拡大し、海外からの大量注文にも対応できる拠点作りを目指していき、
今後も青森県の水産界を盛り上げると高い目標を掲げて現在も邁進されているようです。
(参考/引用元)
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_9.pdf
・アラコウ水産HP:http://arakousuisan.com/