海外進出成功事例として、山梨県甲州市にあるワインメーカーの「中央葡萄酒株式会社」をご紹介します。
中央葡萄酒は1923年創業、山梨県の東部甲州市で創業された従業員26名、売上高5億に及ぶ老舗ワインメーカーさんです。
約100年もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高いワインメーカさんではありますが、 輸入ワイン人気に押され、国内市場の見通しに危機感を覚えた4代目蔵元(代表取締役 三澤茂計氏)は海外進出を決断しました。
「長太郎印葡萄酒」や、国内初の原産地認証ワイン(勝沼町原産地認証ワイン)を醸造し、創業時より伝わる製法で、伝統と物語を有するおいしいワインの販路を拡大していきました。 しかし、そんな中で国内市場は縮小傾向になります。その状況の中で、室町酒造が海外への進出を決めたのが2010年、8年前に遡ります。およそ100年も続く経営の歴史がある蔵元だからこその英断であったと言えるのではないでしょうか。
甲州ワイン輸出プロジェクト(KOJ)の発足と、高級日本ワインの開発を継続したことによ同社の「キュヴェ三澤 明野甲州2013」が2014年のロンドンでのワインコンテストで金賞を獲得したのがきっかけで、商品が持つ歴史と品質を評価する欧州やアジア圏等などの海外展開が可能になりました。そういった背景も味方につけながら蔵元が行った様々な地道な努力の結果、たった26人の従業員数でありながら、中央葡萄酒は徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。
平成22年のワイン認証機関(OIV)による甲州種の商標登録やEUワイン法に対する法的クリアも達成し、「甲州」「KOSHU」等の品質表示をした上での輸出も可能になり消費者への訴求力が向上したこのタイミングでイギリスへの輸出を開始し、海外展開していきました。今ではアメリカやオーストラリア、香港を始めとする世界11カ国にまで輸出先を拡大するなど、世界からその品質を認められる存在にまで成長を遂げます。
蔵元は今後、日本のみならず海外に進出してワインの普及を目指し展示会や商談会への出店を通して酒造業界の全体を盛り上げると高い目標を掲げて現在も邁進されているようです。
(参考/引用元)
・中央葡萄酒HP: http://www.grace-wine.com/about/history/index.html
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_5.pdf