海外進出成功事例として、新潟県糸魚川市にある清酒メーカーの「合名会社渡辺酒造店」をご紹介します。
渡辺酒造店は1868年創業、新潟県の西端部糸魚川市で創業された従業員9名、売上高1億に及ぶ老舗清酒メーカーさんです。
100年以上もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高い清酒メーカさんではありますが、 早々と国内市場の縮小に危機を覚えた6代目蔵元(代表取締役 六代目蔵元 渡辺吉樹氏)は海外進出を決断しました。
糸魚川市に位置する根知地域で、自社栽培・契約栽培している米のみを使用して、100年以上前の創業時より伝わる製法で、伝統とテロワールが語れるおいしいお酒を製造し販路を拡大していきました。 しかし、そんな中で国内市場は縮小傾向になります。その状況の中で、渡辺酒造店が海外への進出を決めたのが2010年、8年前に遡ります。100年も続く経営の歴史がある蔵元だからこその英断であったと言えるのではないでしょうか。
当時、時代は21世紀のアメリカでの日本食ブームを発端に日本食への関心が世界中で高まりを見せておりました。 根知谷米という原料⽶に特化した酒造りと、2010年IWC(international wine challenge)にてsake部門のチャンピオンに輝いたことによるオファーがきっかけで、商品が持つ歴史と品質を評価する欧州やアジア圏等などの海外展開が可能になりました。そういった背景も味方につけながら蔵元が行った様々な地道な努力の結果、たった9人の従業員数でありながら、渡辺酒造店は徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。
地域資源活用新事業展開支援事業(H26年度)の認定を受け、より高度な栽培管理による高品質高付加価値清酒の製造に取り組む一方で、平成25年11月には英語版HPを開設し、今ではアメリカやシンガポール、ドイツを始めとする世界5カ国以上にまで輸出先を増やすことで海外展開するなど、世界からその品質を認められる存在にまで成長を遂げます。
蔵元は今後、日本のみならず海外に進出して日本酒の普及を目指し、海外戦略コンサルティング契約を結ぶなど専門家のアドバイスを活かしつつ、酒造業界の全体を盛り上げると高い目標を掲げて現在も邁進されているようです。
(参考/引用元)
・渡辺酒造店HP: http://www.nechiotokoyama.jp/kaisya.htm
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_20.pdf