海外進出成功事例として、広島県府中市にある味噌メーカーの「金光味噌株式会社」をご紹介します。
金光味噌は1872年創業、広島県の東部府中市で創業された従業員13名、売上高1.4億に及ぶ老舗味噌メーカーさんです。
100年以上もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高い味噌メーカさんではありますが、
国内では商品の価値がそのまま商品価格に反映されにくいのに対し、
海外ではその価値観を認めてもらえる市場があるのではないかと感じた3代目社長(三代目蔵元 金光邦彦氏)は海外進出を決断しました。
江戸時代から伝わる歴史ある府中味噌を、100年以上前の創業時より伝わる製法で、製造し販路を拡大していきました。
しかし、そんなハイブランドであるはずの府中味噌ですが、国内市場における価格への転嫁はあまり芳しくない傾向にありました。
その状況の中で、金光味噌は海外に自社製品の価値に見合った価格設定を求めて海外への進出を決めたのが2005年、13年前に遡ります。
100年も続く経営の歴史がある同社だからこその英断であったと言えるのではないでしょうか。
当時、アメリカでの日本食ブームを発端に日本食への関心が世界中で高まりを見せておりました。
このことなどがきっかけで、補助金の活用をもとに同社は展示会に何度も出店することで、
自社製品の商品が持つ歴史と品質を評価する欧州やアジア圏等などの海外進出が可能になりました。
同社は、この海外における展示会に何度も参加することの重要性と、一度では商談を獲得できないものの
石の上にも三年で粘り強く営業すれば結果が出てくるのではないかということをおっしゃっていました。
実施、同社は生産量が年間240トンから400トンに増加させることに成功し、
現在では売り上げのおよそ5割が海外取引であるそうで海外進出によって、財務成績も改善したといいます。
そういった背景も味方につけながら蔵元が行った様々な地道な努力の結果、
たった9人の従業員数でありながら、金光味噌は徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。
「国内及び海外の有機味噌製造認定を持つ」「海外販路を持つ」といった自社の強みを活かして、
平成19年には新商品のフリーズドライやレトルトの開発・販売における地域資源活用事業の認定を受け、
平成27年には、海外バイヤーからの要望を受けて、大豆不要の味噌風調味料と
関連商品の開発・販売を行う農商工連携事業計画の認定を獲得しました。
小規模持続化補助金に採択された平成26年には、これを活用して英語版HPを開設し
海外からの閲覧数を増加させるなど、世界からその品質を認められる存在として
海外進出に関して大きな成長を遂げます。
同社は今後、海外に進出して味噌の普及を目指すべく、
現地食のニーズをもとに現地食との融合を模索し日本人への信頼を活かして、
様々な資料を有効に活用しつつ味噌業界の全体を盛り上げると
高い目標を掲げて現在も邁進されているようです。
(参考/引用元)
・金光味噌HP: http://www.kanemitsu-miso.co.jp/about
・中小企業庁:
https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_29.pdf