地方放送局に勤めていた方が、貴重な体験談を寄せてくださいました。
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私の勤める地方放送局が、番組の海外進出をした際の話です。
地方放送局は基本的にその地域のことをその地域の中で伝える役割を担っています。
まれに全国に発信する番組もありますが、そう多くはありません。
これまで地方放送局は、内にばかり意識がいっていて、外にコンテンツ発信するという
意識が弱かったのです。
そのような状況下で、私たちは地域のある特産品に目をつけ海外進出を
目指すことにしました。
その特産品とは、香川県高松市の松盆栽です。高松市の松盆栽は
全国シェアの90パーセントを誇ります。
5年前、ヨーロッパを中心に松盆栽のブームがきていることを知り私たちは、
これをコンテンツに番組を制作し、海外のテレビ局に販売をかけることにしました。
まず行ったのは、海外のテレビ番組と日本のテレビ番組の構成やカメラワークの違いを
調べました。そうすると、作り方に違いがあることがわかったので、
海外うけするように対象物の撮影の仕方を工夫しました。
まずは自社で何回シリーズにして放送し、コンテンツをためていきました。
専属のディレクターを配置し、日本ではあまり見られないディレクターが
番組内に積極的に登場する構成にしました。
何度か放送した際の視聴率や視聴者からの反響もよかったので、
海外進出も期待できるという機運が高まっていきました。
次に準備を進めたのは、海外進出のための販路の確保です。
これについては、キー局に国際販売の専門の部署があるため、
そこに販売をお願いしました。基本的にはキー局に任せていましたが、
弊社からも何度かはヨーロッパに行き実際にコンテンツのPRを行いました。
その結果、フランスをはじめとしたヨーロッパ諸国のテレビ局が購入してくれました。
また、これにより成功体験を得た私たちはさらなるコンテンツの海外進出を画策しました。
他の地域のテレビ局とタッグを組み、それぞれの地域の伝統工芸品を紹介する番組を制作しました。
これもヨーロッパ諸国のテレビ番組が複数購入してくました。
中にはテレビ局だけではなくて、航空会社が航空機内で放送するためのコンテンツとしても購入してくれました。
これらの経験から、日本の文化を紹介するコンテンツは海外の人からの評判がよいことがわかりました。
海外進出に必要なのは、現地のニーズ調査とノウハウを持つ会社とタッグを組むことですね。
これができれば、海外進出の成功率が飛躍的に上がるのだと思います。