インドのメディア関係の企業で働いていた経験のある方から
こんなユニークな話を聞きました。
その方がインド人のボリウッドダンサー約40人を東京に連れて来て映像を撮影するという
仕事をしていた時のこと、
撮影の合間の自由時間に、彼女たちをお土産購入のために100円ショップに連れて行きました。
そのくらいの値段であれば、物価が低いインドでも中級ほどの所得の人であれば、
お土産に使うことができるというのが連れて行った理由でした。
女性なので、化粧品や日用品を買うのかと思いきや、なんと毛糸と編棒が人気。
それまで知りませんでしたが、冬という季節もあってか、
ダイソーは編み物や手芸の材料コーナーが充実しているのです。
驚いてなぜ毛糸をそんなに買うのか一人の女性に尋ねると、
インドでは毛糸は高く、しかも単色のものしかないということでした。
購入した毛糸を見せてもらうと、色とりどりの糸が合わさった毛糸玉がたくさん。
単色ではなく、複数の色が混じった毛糸を見るのは初めてということでたくさん買い込み、
多い人は12000円分くらい買い物していました。
編み物で何を作るのか聞いたところ、空き時間に帽子や手袋を作るのが好きだそうです。
インドは、年中気温が暑いと思われがちな国ですが、
12月から3月にかけて、冬の季節があります。
最低気温は秋にもよりますが、首都デリーですと10度ほどで、
寒がりのインド人は早いうちからダウンやコートを着たり、
キルトのようなものを体に巻いて、帽子をかぶる人もいます。
衣類が売っている商店を見ると、カーディガンやケープ、手袋やルームシュズ、
靴下など、ニットの製品をたくさん見つけることができ、
道端でも店番をしながらインド人女性が編み物をする姿が見受けられます。
しかし、注意してみてみると、先のボリウッドダンサーが日本で購入したような
混合色のニットは見たことがありませんでした。
これだけニット製品が流通している人口が日本の10倍のインドに、
日本の鮮やかな毛糸を流通させることができたら、かなりの人気が出てヒットするかも、
と感じたそうです。