ホンダが海外進出した際の初期ラインナップとして中型セダンのアコードがありました。

アコードはアメリカでは現在でも月30000台近く売れている車ですが、

ヨーロッパ圏では販売を終了しています。

 

2008年から販売を開始したタイプが最終型になってしまったわけですが、

その代のアコードはアメリカとヨーロッパでは別の形になっています。

ヨーロッパ最後のアコードはリーマンショック前に設計されており、

先代モデルよりさらに高級志向となっていたことなども

ヨーロッパ圏での販売低迷の理由だったのかもしれません。

 

また、アコードより小さいシビックがフルモデルチェンジをするたびに

段々と大型化していったためにアコードの立ち位置が厳しくなっていた部分もあります。

また、海外進出の際に現在では必須の各国に対する環境対策において、

ヨーロッパ市場ではディーゼルエンジンの搭載が必要になってくるのですが、

これもモデルチェンジするたびにサイズが大きくなっていったことが

アコードにとってネックとなっていった感があります。

 

ヨーロッパのホンダではアコードが最も大きい車となっていたため、

一般的には複数の車種に搭載しているディーゼルエンジンですが、

新しく更新した場合、アコード専用になりかねない部分がある部分も厳しい面です。

 

現在の北米や日本で販売されている現行アコードには北米の高速燃費でも

優位な2モーター式のハイブリッドシステムを搭載したタイプがありますが、

この現行アコードはアメリカ中心に開発されたサイズのためか、

ヨーロッパ圏での導入は見送られています。

 

また中国には現行アコードよりややサイズの小さくアコードと同等の

ハイブリッドシステムを搭載したスピリアというセダンが販売されていますが、

スピリアはハンドルが左側のみの設計で中国専用となっており、

ヨーロッパ圏では販売されていません。

 

ホンダ・アコードの撤退はリーマンショック後のヨーロッパ経済の厳しさと、

メイン市場であるアメリカと急成長した中国市場の志向とヨーロッパ市場の志向が離れていたこと、

さらに環境規制にフレキシブルに適応しきれなかったことなどが大きかったようです。

 

今後、ヨーロッパホンダで電気自動車の導入予定はありますが、

アコードハイブリッドの導入はない模様です。