“能率向上”の専門家は、”この顧客は一体何を一番望んでいるのか?”を常に考えながらビジネスの話をすべきだと言います。
よくあるお客の優先課題として、
1. 抱えている問題を確実に解決して欲しい。
2. 自分の時間を無駄にしたくない。
3. “まさにこれだ”、というものが欲しい。
4. その価値を必要な場面で提供して欲しい。
5. 必要なタイミングに必要なものが欲しい。
6. 問題解決のためとはいっても、あれこれ自分では判断したくない。
というようなことが代表例としてあります。
少ない資源でより効果的な結果を引き出す、といった
Lean Production (スリム生産)の考え方は日本の自動車業界を中心にスタートしたもののようです。
一方、成功する会社というのは必ず”顧客”や”市場”を原点に組織構成を考えています。
そこで上記のような点に着目し、それぞれの顧客が特にどんなことを希望しているのかを見つけ出す事が生産性向上のため重要になってくる訳です。
我々は効率化の時代に生きているのに会社としてまず最低限やらなくてはならないような基本的作業(オンラインでの荷物の配達状況の追跡調査など)に従業員一人一人が必要以上の時間をかけてしまっています。
結果としてそれぞれ個人の潜在能力を充分発揮できないまま一日一日が過ぎてしまうというパターンです。
“効率化”という観点で物事を考えた場合、組織の中の無駄なものを排除するということは当然の事です。
一方、例えばメーカーの場合、その基本戦略の一貫として賃金の安い国で全ての生産を行うことをしないで、むしろ自国(アメリカ)国内或いは近郊でそれを行い、顧客ニーズに沿った素早い受注体制を敷いた方がよいのではないか、という選択肢を持つ事も顧客重視のもとで生産性上げる、という点において考えられる訳です。
顧客サポートセンターには問題解決を素早く、上手く処理できる有能な人を配置すべきであり、同様に、医療施設ではスケジュール調整を上手くやりくりする事で患者のとんでもない待ち時間を無くしたりすることになります。
小売業については、”できるひと”を配置する事で特に物流管理などで在庫切れを起こさないようにできます。
倉庫と店の間のモノと情報の流れを円滑にして、店舗のレジ情報に基づいた品物を常に補充する体制に変革するのです。
解決策を提供する全く新しい産業の構築を強く主張する声もあります。
例えば配送から、コンピュータ・システム等の管理を監視する業務を一手に引き受けその顧客組織が様々の異なった相手と交渉するわずらわしさや手間を省くようなサービス…。 企業化チャンスとして考えられるかもしれません。
新しい変革の時代にあっては、規模の大小にかかわらず、旧態依然としたお役所体質の組織では、スピーディな処理能力という点において生き残る事は不可能で各部署や各人に内在するそれぞれの”既得権”的な体質を一刻も早く解消する必要があります。
参考資料
002: Efficiency can solve a host of problems
Bruce Rosenstein
USA TODAY
11/7/2005