> 営業マンは自分の担当区分を別会社に見立ててCEO的思考というものを養う必要があります。
> 1. 時間、2. 情報、3. 資源、4. 相手との関係, 5. 自己認識という5つの資産を利用する事はセールス向上のための鍵です。
Sell like a CEO
営業マンは、成功のためにはCEO的発想・思考を身に付ける必要があります。
即ち、損益に対する責任を持ち、自分が別会社を経営しているという意識を持つのです。
例えば、次のような問いかけをして自分の行動を評価してみたら良いと思います。
―― 新規ビジネスを成立させる際に、自分の給料や手当て、それに経費, 諸費用の資金を自分で出し、
成功報酬としてコストの払い戻しや30%から40%のコミッションを受け取るとした場合、自分はどうするだろうか?
これは会社側からみれば各営業マンに日々行っている事で、通常はあまり芳しくない”賭け”のようなものと言えます。
優秀な営業マンはCEO的思考をします。彼らは優れた販売戦略を立てることに対しては今一つかもしれませんが、
ビジネス投資として全体の流れの中で販売サイクルを考えるので成功するのです。
CEO的思考を持つ人は、日々の営業活動をする際に、効率的な方法で資産を管理し運用しなければならない事を良く理解しています。
その資産とは、時間、情報、資源、相手との関係, 自己認識の5つです。
1.Time 『時間』:
時間というのは、あなたの所有している資産の内、最も重要なものです。そしてそれは不幸にして一度失ったら取り戻せないものです。”時は金なり”と言われる通り、誰に、いつ、そしてどのような状況で、どのように時間配分すべきかをしっかり検討する必要があります。時間を費やすべき相手に対しても、その時間を管理するという事だけではなく、セールスの際にはその時間を如何に短縮すべきかを考えなくてはなりません。 時間は全取引をだめにもします。販売サイクルを短縮する事は時間を管理する上で極めて重要です。 ところが、ほとんどの営業マンは全く反対の推測で行動しています。―― 粘り強く頑張って競争相手を引き離し、相手のことを気にかけている旨積極的に示せば最終的には上手く行くものだ信じているようです。でも実際にはこれは全く事実とは異なっています。本当のプロのセールスマンはベストの販売機会を限定し、最高の状態で活動できていない場合には早めに切り上げてしまいます。販売競争の激しい状況下において、勝者は二人だけである事を彼等は知っているのです。それは、―― 受注に成功した営業マンと、早々に取引から撤退して時間をセーブした営業マン、です。
2.Information 『情報』:
多くの営業マンは、適切だと判断する前の段階で顧客に貴重な情報や解決策を明らかにしてしまい、(情報という)この価値ある資産の誤った使い方をしているようです。 販売に繋がると思い、気軽に喜んで情報提供してしまい、
まるで無報酬のコンサルタントであるかのようです。もしも彼等がCEO的思考を持っていれば、所有する情報が最も重要な資産の一つであることを知っているので、その取扱には充分注意します。セールスする人は、最も重要な情報は顧客自身が持っている情報である事を理解すべきです。しかしながら、ほとんどの場合あまりに商品中心で、まず自分の手持ちの情報で注意を引かせます。このことで必ずあとで、比較されたり、混乱が起きたり、反対意見も出たりする事になるのです。
3.Resources 『資源』:
CEO的思考を持つ事で会社の資源を守り、適切な時に限ってそれを利用します。ほとんどの営業マンは会社の資源が無限にあるかのように行動しています。契約獲得の見込みがほとんどない取引でも見積もり競争をして、コスト感覚を持たないで会社の貴重な資源を使い果たしてしまうかのようです。
4.Relationships 『相手との関係』:
人は好きな人からモノを買いたいと思います。しかしそれ以上に、信頼の置ける人から、そして自分の問題点や自分固有の情況や環境を理解してくれる人から買うのです。人柄や共有利益に基づいての関係作りにもはや頼る事はできない時代です。今日においては、確かなビジネス関係を築くためには唯一信頼関係の確立こそが不可欠です。
A) 自分の問題をどの程度理解してくれているか?
B) あなたのビジネス上の知識は確かなのか?
そして、
C) 他のセールスマンが想像できないような方法でその問題点を指摘してくれるあなたの能力。にまさに比例して顧客からの信頼が増します。CEO的思考を持てば、関係造りに必要な貴重な時間をどのお客に優先的に振り分けたらよいのかが理解できるようになります。
5.Self-concept 『自己認識・アイデンティティー』:
自分を他の誰でもない自分であるという意識、有能な営業マンは信じている自分の価値のレベルに従って常に行動します。割が合わなかったり、条件に見合わなかったり、又、変更できなかったり、当局にその判断を仰がねばならないような取引を追い求めて自己認識を危うくしたくないと思っています。多くの時間を割いて情報提供したり見積もり作業に追われたりしないで、むしろ理想的な条件ではないビジネスチャンスを対象から外す作業に多くの時間を使います。CEO的思考を持つ事は、リスクを取ったり既成概念の枠を超えることを含みます。リスクや変化、そしてその事を通して学習していくこと以上に有効な自己認識を維持する方法はありません。
> CEO的思考は単に心構えだけの問題ではありません。 ビジネス上の販売戦略でもあります。
多くのCEOの人達がそうであるように営業マン自身、強い資産管理プログラムを持たなくてはなりません。
> 自分の資産管理をより上手く行えば行うだけ、セールスの場でも成功する度合いが高まるのです。
参考資料
007: Adopt the CEO Approach to Sales
Frichard P. Farrell
Progressive Distributor
01/27/2006