海外で不動産関連企業をしていた方からこんな「ヒヤッ・・」とする体験談を教えていただきました。まさに、日本人の価値観や感覚との違いから生まれるトラブル…にまつわるエピソードです。
↓↓↓
かつて私は海外で、日本で生活経験のある知人と不動産開発のジョイントベンチャーを運営しておりました。土地を取得し分譲用の住宅を建てる過程で毎日現場の様子をチェックしに行く訳なのですが、内装工事が始まったある日、こんな出来事が起こりました。
工事中の住宅の通路に工事用の大きなジェネレーターが置いてあって、そこを通る作業員にはちょっと邪魔だな・・ということがありました。1人で動かすには大きすぎるので近くで作業をしていた作業員に「ちょっと手伝って」と言って2人で一緒に20センチほど脇にジェネレーターを動かしました。これで皆通りやすく作業効率も上がるとホッとして見回りを続けていました。私たち日本人の感覚からしたら、作業員の為にその重機をどかしてあげよう・・そしてその為にちょっと一緒に手伝って・・なんてやり取りは、ごく自然のものであり、なんら違和感のないやり取りに感じます。
ですが、しばらくすると現場がザワつきだしただならぬ雰囲気になっていることに気づきました…。慌てて行ってみると知人がその作業員が務める業者の棟梁と言い合っているではありませんか。聞けばその棟梁は自分の部下が契約にはない「ジェネレーターの移動をさせられた!!」と物凄い剣幕でクレームをしてきたとか。知人(弁護士)に事の経緯を話して棟梁と話をつけてもらいましたが、後から「日本と違ってね・・・」とお説教を喰らいました。小さな事業でもこんな具合ですからユニオン(組合)が関わっている仕事では誰がどのような雇用条件で働いているのか、しっかり頭に入れておかないと思わぬトラブルに見舞われます。
—–
こういった文化の違い、価値観の違いによる思わぬトラブルは本当によく聞く体験談です。そして、皆さんこういった経験を通じて一様におっしゃるのが事前にもっと「・・・しておけば良かった」もっと「現地の文化や生活慣習を早く知るべきだった」と。もちろん、これから海外展開、海外進出をされる方からするとこういった違いを事細かく事前に把握することは困難であると言えます。また、事前準備が細かすぎることでビジネスチャンスを逃すことにも繋がりかねません。
こういった知見はできるだけ、先人の方からお話が伺えると海外でこれからビジネスを展開される方にはヒントになるのではないかと思っております。