フィリピンのある地方都市で雑貨店とレストランを経営されている方からとても貴重な体験談をお伺いすることができましたので、ご紹介させていただきます。
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フィリピン・カマリネス州・ナガ市、人口17万人程度のこの地方都市で、私が小さな雑貨店とレストランを始めたのは今から約6年半前になります。フィリピンの常識や文化はもとより、フィリピンの人が普段どんなものを食べているのかすら知らずに始めたので、最初はけっこう苦労しました。??今回は、私がフィリピンで経験したレストラン経営にまつわるエピソードや、やってみて解かったことなどをお伝えします。??
最初は日本との常識の違いに本当に戸惑う毎日でした。日本人の常識からすると非常に驚くのですが、??レストランなどの飲食店もそうなのですが、ほとんどのお店で「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」を聞いたことがありません。?ひどい店になると、お釣りをお客様に投げ返すところもあります。約束の時間も守りません。30分、1時間遅れは想定内で待っていないとなりません。?でも彼らに悪気はないのです。これがフィリピンでの常識です。
この経験から、私のお店では日本特有と思われるこの挨拶…「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」をあえて口にするようにしました。それは現地では物珍しく映ったようで、直接のビジネスの売り上げに貢献されたかどうかは分からないですが、周りにひしめく飲食店の中では個性として目立つ存在になりました。
またメニューについても試行錯誤の中導かれた結論がありました。それこそ最初は他の食堂やレストランを真似てフィリピン料理を出してみたのですが、これが大失敗…。??それで思い切って日本式のカレーライスを出してみました。これが予想に反し大当たりしまして、口コミが口コミを呼び反響となりました。??それ以来、カレー、とんかつ、親子丼、焼肉定食など、日本の食堂で出る日本のB級グルメを中心としたお店に。日本のメニューがまかさこのような形で現地の方々にウケるとは思ってもいなかったので、やってみないと分からなかった事ではありますが、やはりジャパンクオリティというものが食にもあるのだなぁ・・と感じました。
このような経験を経て、思うこと・感じたことがあります。
??【フィリピンのお店経営で注意しいこと】
??1.過剰な設備投資はけがのもと
??海外でビジネスを始める時は気合が入りますよね。たとえばお店だったら、設備や内装に思いっきりお金をかけたくなります。?気持はとても良く解りますし私もそうでした。ですが、フィリピンで商売を始めるころは円とフィリピンペソのお金の価値の違いが実感できないのです。??これが落とし穴ですね。つまり円を使って設備投資して、価値が1/5のフィリピンペソで回収することになるからです。
?ですから、設備投資は最小限度に抑えるべきです。豪華にするのは儲かってからでも遅くありません。
??2.意外に高くつく人件費??
フィリピンの人件費は確かに安いです。たとえば、首都マニラでさえ表向きの最低賃金は1日約1,000円(450ペソ)です。?ですが、問題は作業効率です。先ほどお話した時間を守らないこともありますが、フィリピンの人は仕事に命をかける日本人とは違います。?つまり、日本人なら1人でこなせることを、現地の人なら2,3人と考えていた方がいいということです。この辺の盲点でした。
???【フィリピンにはビジネスチャンスがいっぱい!】??
フィリピンのビジネスは日本に10年遅れている。と言う人もいますが確かにそう思います。でもそれは、日本でやりつくされた手法が、実はフィリピンでは新しいことなのかも知れないということです。??日本にあってフィリピンにない商売はたくさんあります。これは私が住むナガ市に限ってのことですが、コインランドリー、自動販売機、修理保証付きの中古車屋さん、学生相手にアパートを紹介する不動産屋さん、タウン情報誌などなど…探せばもっとあるでしょう。
??もう少しすんなりと就労ビザが出れば良いのですが…??ただ、これから世界はボーダーレスの時代。是非フィリピンでのビジネスも検討されてみては?
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やはり、現地ですでにビジネスを展開されている方のお話は本当にためになりますね・・非常に参考になりました。これからビジネスを海外で展開させようという方も、事業を海外進出させようという方も、フィリピンに限らずこういった文化の違いから起こる問題や、貨幣価値の違いと労働資本のバランスは現地の慣習をよく理解した上で事前準備できるととても良いですね。