カナダで日本語保育園を開業された方から貴重なお話を伺えました。この方は保育の資格を取りに学校へ通いながら開業準備を進められたそうなのですが、学校での課題…例えば契約関連など、がそのまま開業に活かせるようなものであったことから立ち上げ時の準備の重要性などを強調されておりました。とても参考になります。
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私は日本で教員養成系の大学を卒業し、2年間、教職に就きました。カナダで結婚、出産、子育てを経て、何か教員の資格と経験を活かせる仕事をしたいと考え、自宅で日本語保育園を開業しました。
カナダでは共働きの親が子供を預ける際、選択肢がいくつかあります。
一つ目はデイケアセンターで、これは日本の保育園と同じです。ただ、デイケアセンターは空きがないところも多く、また子供の数が多いので、子供が病気をもらってきやすいといったデメリットもあります。
二つ目は、ベビーシッターやナニーを雇って、自宅に来てもらう方法です。契約によっては、簡単な家事やペットの世話をお願いすることもできます。その家庭の都合に応じて、住み込みのナニーを雇うこともあります。
三つ目が、私が開業したようなファミリー・デイケアというもので、個人宅で開業している保育園に子供を預けるというものです。
日本で言う保育ママさんに似たようなシステムですが、保育ママさんと異なる点は、運営が行政ではなく、自営業として運営している点です。ファミリー・デイケアの利点は、少人数で目が行き届くこと、アットホームな雰囲気で、子供が安心して遊べること、デイケアセンターは空きがなくて入園を断られたけれど、近所のファミリー・デイケアには空きがあったというケースもあります。
日本語保育園を開業するにあたり、夜間のコースに通って資格を取りました。子どもの発育、発達についてや、自宅の一部とビジネス目的で使用することになりますので、税金の控除、加入すべき保険などについて学びました。この夜間コースは大変よくできていて、毎回提出する宿題が、ビジネスを始めた時に、そのまま保護者へお渡しする書類(契約書、申込書など)として使うことができました。移民の生徒もたくさん受講していて、英語もわかりやすい英語で、はじめは不安に思っていましたが、無事に卒業することができました。カナダでは、このような社会人向けのスキルアップやスキル取得のコースが大変充実しています。
開業前から「日本語保育園を開業したら、ぜひ預けたい」という人がいらっしゃったので、集客にはさほど困りませんでした。日本人が多いバンクーバーという土地柄もあったと思います。ビジネスにおいて一番苦労するのが集客ですので、その点は大変ありがたかったです。
日本語保育園を開業してよかったことは、息子の成長を見守りながら自宅で仕事ができたこと。仕事はしたいけれど、息子は預けたくないという私のわがままを叶えるのに、日本語保育園は最高の仕事でした。また、日本での教員経験を十分に生かすことができ、保護者から厚い信頼を得ることもできました。昔から子供が好きで、子供と関わる仕事がしたいと思っていたので、この仕事はまさに私にとって天職でした。
このビジネスで私が「やっておいてよかった」と思ったことは最初の契約書作成です。書類関係の準備には膨大な時間を費やしましたが最初の規約を細かく決めておくと、トラブルを未然に防ぐことができますし、後々楽です。
また、保育園を運営しながら、必要だと感じたことは随時、契約書に盛り込んで内容を更新していました。書面でのやりとりというのは本当に大切で、特にカナダでは直筆のサインをもらえば承諾を得たことになります。
面白かったのは、契約書の最後だけではなく、途中のページにも目を通した証にイニシャルを記入するという、日本にはない発想です。大雑把でいい加減なことも多いこの国ですが、こういうところは日本人より細やかでしっかりしているんだなと感心しました。
この自営業は、私の中で大きな自信になりましたし、
日本語保育園を通して、たくさんの素敵な子供たち、ご家族との出会いに恵まれたことに、心から感謝しております。
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