北米向けに設計したことで成功したホンダオデッセイ

ホンダオデッセイは7人乗りのミニバンに分類される乗用車で、ワンボックスカーとセダンの良いところを併せ持ったような車として登場しました。

 

1994年の初代発売時点では北米仕様と日本仕様は同一の設計で、日本国内では大ヒットとなりましたが、アメリカでは日本ほどの大ヒットとまではなりませんでした。サイズが小さいということが大ヒットとはならなかった大きな要因とされており、実際当時の北米のホンダ車では全米トップクラスの販売台数を誇っていたファミリーカーのアコードセダンよりやや小さく、エンジン排気量に関してもアコード北米仕様のV6・3.0リットルエンジンに比べて直列四気筒2.3リットルエンジンとかなり非力でした。

 

2000年にオデッセイは北米でフルモデルチェンジを受け、このフルモデルチェンジにおいて日本仕様とは完全に別物の設計となり、5105mmの全長、1935mmの全幅というホンダ車でも最大のサイズを得て、さらに日本仕様と異なり後席スライドドアに変更され、エンジンはアコードよりもパワフルなV6・3.5リットルエンジンを搭載することになり大ヒットを収めました。
また生産を日本で行って北米へ輸出するのではなく、カナダでの生産に切り替わりました。それ以降三代目、四代目とモデルチェンジを重ねていきましたが、エンジンサイズや北米ホンダラインナップ内での立ち位置は変わらず、アメリカのミニバン市場でもトップセラーの地位を維持し続けています。

 

オデッセイはアコードやシビックなど他の北米で成功したホンダ車と比べると日本仕様と北米仕様でサイズの差が顕著なこと、二代目以降は国内仕様と北米仕様で一切外見や内装に共通点が無いところなどが大きな特徴で、今後も日本仕様と北米仕様は並行した存在として販売され続けるでしょう。 北米専用となった二代目オデッセイの登場から現在まで約15年ほどの期間がありますが、その間に北米ホンダにおいて初代のオデッセイに近いサイズのミニバンが導入されたことは一度もなく、また、北米専用となった二代目オデッセイ以上のサイズの車が導入されたことも無く、北米市場において二代目以降のオデッセイがいかに北米市場のニーズを集約されて作られたかがわかります。

 

 

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