ここのところ、少し難しいビジネスの話や真面目な話題ばかりが続きましたので、少しほっこりするようなテーマも扱ってみたいと思います。
私は花が大好きでいつも花に囲まれた生活を送る祖母と暮らしてきた影響で、私自身も花がとても好きになりました。
特に中でも牡丹の花が大好きです。
赤や白を基調とした多くの花びらが大きく広がり、真ん中のめしべの黄色はほんのり花びらから見え隠れする、豪華でゴージャスな美しい花です。
“美人”を花に例えて表す故事の中で『立てば芍薬(しゃくやく)座れば牡丹歩く姿は百合の花』とあります。
牡丹は二番目に登場する花ですが、四方八方に枝分かれして横広がりの花びらをどの方向からでも魅せてくれる美しい牡丹の花を、美人女性の座り姿の象徴として例えています。
詩歌や絵画、日本の家紋でも登場する古くから美しき華やかな花です。
島根県松江市八束町は、昔から日本のトップを誇る牡丹の花の大生産地です。
花の開花時期の調整が難しいと言われる牡丹の花を、研究を重ねる努力により、今では毎年春と冬に安定して開花させることを可能にしました。
戦後、高度成長期に乗った日本の世の中で、この牡丹の花もオランダやアメリカに向けて出荷されました。
前述の通り、開花時期の調整が難しかったことから大量生産には不向きでしたが、研究努力の甲斐により品種改良され平成17年には台湾向けに平成21年にはロシア向けに販路を拡大しました。
台湾やロシアに向けては、官民一体となる営業努力がありました。
毎年牡丹の品評会や展示会などを開き、現地の市場への周知、ニーズの拡大や生産地への紹介、現地での生産の指導などいかに現地で牡丹の花を受け入れてくれるか消費者から生産者までの細やかな情報収集も行いました。
特に台湾では旧正月の祝いに合わせた出荷需要増を想定し、開花調整や営業の取り組みを強化しました。
その単価は国内市場よりも高くなるにせよ、海外での大量受注を得ることによってそのバランスを保つ取り組みがされています。
また農家の安定供給のためさらに大都市への大量販路拡大を目指す方向で生産・営業活動が進められています。
日本初の牡丹の花は、その生産の難しさゆえに海外輸出には不向きでしたが、官民一体の日夜の努力によってその市場はますます発展していく勢いです。
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