最近の60歳定年退職者は、まだまだ元気です。しかし、大企業に勤務していた人の多くは、退職金を原資とした企業年金等で生活費には困らず、今更サラリーマンとして雇われるのを嫌い、仕事に付いていない人が多いものです。
そんな中で、大手電器メーカーの生産技術部門のOBを中心に、東大阪市の中小企業の技能レベルのアップや、各種の生産活動の高度化を支援する会社を起業している人がいます。その会社には、社員と言う形ではなく、多くのOB達が登録し、必要に応じてスキルのある人がチームを組み、支援する体制を取っています。
この様に、メーカーの生産技術部門のOB達は、中小企業に貢献する活動を、この会社に集うOB達にとっても理想の形で展開している例と言えます。
これは中小企業のレベルアップを支援できても、直接的に仕事を提供し、販路を開拓し、下請けからの脱却を支援する事はできません。
本来、この会社に集う大手電器メーカーには製品の企画、設計開発、マーケティング、営業に携わってきたOB達が、何倍もいます。
こうした企画、開発、営業経験のスペシャリストが寄り合い、大手では不可能なニーズをすくい上げた製品を企画、開発、販売するファブレスメーカーを起業し、生産技術部門のOB達が支援する中小企業の連合体に生産委託するシステムを構築すれば、仕事の高度化と仕事の量拡大を果たす事ができるでしょう。
こうした2つのOB会社が順次世代を受け継いで行けば、事業の継承に悩む中小企業の経営者達も、胸を張って自分の子供達に事業の継承を願う事ができるようになるでしょう。
私も事例として紹介した大手電器メーカーの技術部門のOBです。しかし、残念ながらデバイス部門に所属していた為に、中小企業連合体に仕事を提供できるような製品開発の経験がありませんし、少々起業するには齢を取り過ぎました。
製品開発に携わっていたOBを中心に、最後の社会貢献としてこうしたファブレスメーカー起業に手を挙げてくれる事を期待します。