当ブログでも人気の自動車業界の海外展開事例についてです。
本日はホンダシビックについて。

ホンダシビックはホンダの海外進出車では上級セダンのアコードと並ぶ成功を誇っていますが、
アコード以上にバリエーションが豊富で海外のあらゆる需要に答えた形になっているところが特徴的です。

かつては3ドアハッチバックと2ドアクーペ、4ドアセダンが基本でしたが、
95年以降のモデルで初めてヨーロッパ専用の5ドア、ワゴンモデルが誕生し
一定の成功を収め、ヨーロッパでは5ドアモデルはそれ以降現在まで形を変えながら生産され続けています。
また、2ドアクーペは北米では根強い需要があり、91年モデル以降、やはり現在まで生産を続けています。

中国ではシビックセダンが販売台数を大幅に伸ばしており、
現時点で世界唯一の1.0リッターターボエンジンを搭載したモデルもあり、
価格や燃費、税制上で有利にしつつ、上級セダンとしてのスタイルなどをアピールできているようです。

シビックはエンジンのバリエーションも多く、ヨーロッパ圏専用に95年以降モデルからディーゼルエンジンが用意され、
アメリカや日本のモデルが1.8リッターになった2005年モデルには
排気量の小さい1.4リッターガソリンエンジンも用意されるなどフレキシブルにヨーロッパの需要に答えています。

北米では2000年モデルから2010年モデルまでハイブリッドと天然ガスエンジンなどを用意し、
様々な環境問題の規制値に対応しており、スポーティなモデルとして
2.4リッターモデルを用意したことも当時の排ガス規制をクリアーするためのものでした。

現在は北米仕様はターボエンジンと通常のエンジンにまとまりつつありますが、
全体的な環境対応力の向上により、ハイブリッドや、
排気量に余裕のある2.4リッターを用意する必要がなくなったという見方もできます。
2015年以降モデルの現在のシビックは5ドアハッチバック・セダン・クーペの3種類で、
フロントデザインやドアなどがほぼ共通のものになっています。
この前までのモデルではヨーロッパ仕様が外観は完全に別物、
クーペもセダンとフロントデザインが別物となっていましたが
北米市場にハッチバックが導入されたことでデザインの統一化の必要が出てきたものと思われます。

最新シビックハッチバックはイギリス生産で各地に輸出されており、
リーマンショック以降のヨーロッパ市場の縮小に対してうまく北米の需要に取り込めたといえます。
シビックの成功はアメリカの厳しい環境規制をクリアーしたことが始まりでしたが、
その後も各国の環境問題に合わせてエンジンを別のものにするなどのフレキシブルな対応ができており、
ロングセラーモデルとしての地位を確実なものにしています。

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