ebayなどの海外オークションサイトで密かに高値で売買されている、
「サムライギター」をご存知ですか?
日本の楽器メーカーが生産した国産楽器が今、海外で人気を高めています。
グループサウンズやThe Beatlesなど、第1次ロックンロールブームが巻き起こったことで
バンドブームも同時に訪れた頃から日本国内でのエレキギターやエレキベースの需要が増えはじめました。
当時は海外メーカーの楽器は相当な高級品であり、なかなか気軽に手を伸ばせる様な代物ではなく、
その需要に応えるべく国内メーカーがこぞって海外メーカーの型をコピーしたエレキギターやベースの生産を始め、
GrecoやYAMAHA、Guyatone、TOKAI、TESCOなど代表的なメーカーが手軽な価格の量産式の楽器を販売していきました。

日本人の身体に合わせて楽器の大きさをサイジングするなど各メーカーごとにそれぞれ工夫をこらし、
当時は楽器作りに非常に適したセンという木材が国内で豊富に確保することができたため
原材料から生産までを国内で行うことができ、加えて大量生産することにより
コストを大幅に削減することで低価格で販売することに成功、
生産自体は80年代後半まで盛んに行われていました。

その時代に生産された国産楽器はビザール楽器と呼ばれ、国内でも今だに根強い人気がある楽器ですが
なぜ今海外で国産のビザール楽器に注目が集まっているのでしょうか。

代表的な理由としては、当時国内で採れたセンの木材の品質がずば抜けて良い物が多く、
高品質の木材で作られた楽器であるのに安価である、
そして日本と言う湿度の高い気候の国で採れた木材で作られた楽器であるため湿気に非常に強く
アメリカなど湿度の低い土地で演奏すると非常に良く鳴る上に
高品質な木材が使われているのに非常に安価であるという点です。

楽器に適した木材を伐採しすぎた為に、近年世界中どこを探しても
良質な木材を確保することは困難な状況にあると言われています。
使用する木材によって音質が大きく変わるとされている楽器という製品だけで見ると
大手有名海外メーカーの現行販売品よりも日本産のヴィンテージ楽器のほうが
はるかにいい音とも言われているほどです。
ebayなどの国外大手オークションサイトなどで高値で取引されるほど
マニアからは高い評価を受け、人気を博しているのです。

生産当初は海外進出などまったく考えれなかったコピータイプの大量生産品とはいえ
今現代において評価されるということは非常に喜ばしいことですね。

戻る