『ヤクルチ』ーとブラジルの子供たちが呼ぶ『ヤクルト』はブラジルへ海外進出をした日本企業の老舗中の老舗です。
ヤクルトは1966年にブラジルに進出し、1968年にサンパウロ州のサンベルナルドドカンポ工場で製造が稼働して以来、常に順調に業績を伸ばしてきました。
現在でもブラジルのたいていのスーパーマーケットには、ヤクルト、ヤクルト40、ヤクルト40ライト、ヤクルトタフマン、リンゴジュースが並んでいます。ブラジル人の中には生活に浸透しているヤクルト製品をもはや日本のものだと認識している人も少なく、多くのブラジル人の子供たちは「ヤクルチ」をブラジルの飲み物だと信じて疑いません。
ヤクルトの面白いところは、同業他社のような派手な広告宣伝を打つことはなく、日本と同じように、ヤクルトレディーを育てて、ヤクルトレディーが地道に販路拡大を取っていることです。
当初はサンパウロなど都市部に集中していた販路拡大も、現在ではブラジルの地方にも広げているといいます。ブラジル人口2億を考えれば、魅力的な市場と言えると思います。
1970年代からのブラジル進出ブームから様々な日本企業が海外進出の掛け声のもとブラジル市場に参入し、また撤退もしたけれども、ヤクルトは老舗として地道に基盤を確立したと評判です。
1999年には、ブラジルサンパウロ州のイビウナ市に野球選手の育成施設と野球場のあるヤクルト野球アカデミーを建設し、翌2000年より開校されました。
敷地面積は約22万平方メートルで、大人用三面、子供用五面のグラウンドやトレーニングルーム、屋内練習場、選手宿舎などがあります。多数の卒業生を輩出し、日本や米国でプレーしている選手も多い。
サッカー王国ブラジルで野球とソフトボール選手の育成に多大な貢献をしています。
WBCの本大会に出場したブラジルチームには多くのブラジル・ヤクルト野球アカデミー卒業生が出場しました。このようにヤクルトはビジネスだけではなく、スポーツ選手の人材育成にも貢献しているため、ブラジル人に一目も二目もおかれている日本企業です。