日本製の鉄道車両は30年以上にわたって海外進出しています。住友商事、日立製作所、日本車両などの企業が北米や東南アジア、英国で鉄道案件に関わってきました。世界的にも評価の高い日本製の鉄道車両ではありますが、ここに至るまでには長い道のりがありました。
台湾の鉄道ビジネスの成功
1990年代から、日本企業は台湾向けの車両輸出を始め、2002年には日本の住友商事、日本車両と、台湾の鉄道会社や部品製造メーカーとの合弁で台湾車両という会社を設立しました。まずは通勤電車を成功させて実績を作り、ついに2011年1月、台湾最新鋭の特急電車「TEMU2000」という新型車両を100両以上も受注しました。
北米の鉄道ビジネスも急速に拡大
北米はアジアよりもずっと厳しい基準で知られています。日本車両は、シカゴの通勤電車として活動中の北東イリノイ地域鉄道公社という企業から、2階建て客車を大量に受注成功しました。現在は現地メーカーと協力して現地生産を開始しています。
英国の鉄道ビジネスにも参入
鉄道事業が世界で一歩進んでいた英国でも、日立製作所が製造した車両「ヴァージン アズマ(あずま)」を2018年から使用することになり、話題を呼んでいます。イースト・コースト線という路線で使うため「イースト」を日本語の「東」と変換したそうです。
日本の中古車両の海外進出
日本の車両が活躍するのは新品車両だけではありません。廃車になった車両がそのままの姿で外国で使用されるケースが増加。ミャンマーなどの新興国で、「キハ11形」などの旧型廃車車両が安く譲られています。日本語の行き先掲示がそのままの状態で使われていたり、ラッピングがそのままだったりするのが何ともほほえましく懐かしいです。
日本の鉄道ビジネスの海外進出の一部をみてきましたが、今後の展開も非常に楽しみであると同時に、厳しい国際競争も予測されますので目が離せないといったところです。