1.起業する人達への支援の現状

起業に当って、必要な資金を提供する仕組みや、公的機関などがインキュベーターに対して、安価なスペースやコーディネーターによるコンサルを行う仕組みは十分とは言えませんが、それなりに構築されています。
これは、日本や地方を元気にするために、新規ビジネスの起業や、若い人のチャレンジの重要性が認識されているためです。
しかし、こうした新規ビジネスの起業を支援し、事業化を加速する為には、もう一段の工夫が必要だと思います。

2.眠れる人材

最近は、定年退職を65歳まで延長する企業が増えています。もちろん、60歳で一旦定年扱いとし、再雇用の形を取るため賃金は大幅にダウンします。再雇用企業の中には、この制度を重荷と感じている所も少なくありません。
それでも、多くの人が働き続けるのは、収入以上に、生きがいや社会との繋がりを持ち続けたいという理由も多いのです。
また、余り知られていませんが、大企業の制度では、管理職には再雇用が適用されない事も多いのです。
こうした60代のまだまだ働ける人材、特に管理職経験者などで定年延長の適用を受けない人材が非常に多く眠っているのです。

3.眠れる人材を活用するための人材バンクの設立提案

先に書いた経験豊かな人材を、地方自治体などが中心となり、そのスキルを登録する人材バンクを設立する事を提案します。
新規事業を起業する人達は、必要に応じて、人材バンクに登録した人の中から、支援を受ける事が可能なようにします。
人材バンクの登録人材と、求める起業家のマッチングは、各自治体が有しているコーディネーターが行えば良いでしょう。
雇用は、3ヶ月単位程度とし、必要に応じて延長する制度とするのが良いでしょう。勤務形態も週5日勤務でなく、2日、3日と自由度を持たせると良いでしょう。
こうした社会に貢献する意思を持ち、若者達を応援する心意気で勤務してくれる人材ゆえ、賃金は少し多めのバイト代で十分でしょう。

4.結び

事業の為には、資金と共に、人材が必要です。経験豊かで、即戦力の人材を起業家がフレキシブルに雇用でき、また社会に経験を生かした貢献をしたいと考えるリタイアメント者をマッチングさせる人材バンクの設立は、必ずや事業化を加速させるものと考えます。

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