最近、北欧のデザインが話題となり、雑貨や家具等を日本で販売する小売店が話題になっています。こうした海外企業の日本進出もあれば、雑貨ブームの中で、東南アジアテーストの衣類や雑貨、欧米の古いリユース雑貨を、海外で仕入れて販売する小売店も増えています。若者文化の中に、こうした物が受け入れられ、結構高値で販売されたりしています。

翻って、日本の伝統、たくみ、技に裏打ちされた商品の発信力はまだまだ弱いと思います。特に輸入雑貨で成功を納めている若い人達に、その感性を活かして、ぜひ日本テーストの雑貨を販売する店を海外に展開してもらいたいものです。

若い人が、海外での小売を考えると、すぐにネット販売を考えがちです。しかし、ネット販売では、日本で成功した立地や店全体の雰囲気と品揃えという感性は活かせません。こうした感性を活かすには、やはり現地に実店舗の進出が必要なのです。

この進出の足がかりとして、比較的豊で雑貨などにお金を掛ける国や地域での日本観光の案内本を入手し、その国や地域の人が、日本のどんな所に日本らしさを感じでいるかの分析から始めると良いでしょう。

また、個人や中小の小売業が海外に進出し、従業員を雇い、店を任せるとなると、色々な心配が付き纏い、決断できないことも多いでしょう。そんな時には、海外駐在員の多い国や地域、また老後を海外で過ごすリタイアメントの日本人が多い国や地域を選び、海外駐在員の奥さんや、リタイアメントの方に仕事を助けてもらい、任せるのも良いと思います。こうした人達になら、信頼して任せる事ができるでしょう。

人口減少の中で、日本の富を増やすには、輸入ビジネスだけではなく、それとセットで輸出ビジネスに取り組んで欲しいのです。輸入ビジネスで成功し、自分の店で生活が安泰だとそれに甘んじている若者には、輸入ビジネスを始めた当初の情熱を思い起して、日本の伝統、たくみ、技を海外に販売する輸出ビジネスに挑戦して欲しいと思います。

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