私は日本のごく平凡な家庭に生まれた、現在30代半ばの者です。小さな頃から車が大好きで、高校生になったあたりから「将来は自動車関係の会社に就職したい」と思うようになりました。そして、その頃(1990年代後半)は海外留学へいく学生が増えてきた頃でもありました。私も例にならってニューヨークの大学へ進学することを決めたのです。
もちろん日本の大手自動車会社に勤めたいという気持ちは変わっていませんでしたので、そのために役立ちそうな科目をとり、他の米国人と混ざって一生懸命勉強しました。普通の語学留学とは違い正規留学なので英語は出来て当たり前、プラスαを身につけるという環境にいた私は、苦労しながらも皆に受け入れてもらって大学を無事に卒業しました。
帰国後、念願の大手自動車会社に就職を果たし、新人である数年間は社内で一通りの仕事を経験しながらスキルを磨きました。その後、私の留学時代に培ったスキルも合わせて認められ、アメリカに赴任が決定したのです。
私の仕事内容は、専門職にあたるので具体的なことは申し上げられませんが、日本人ゆえのきめ細やかな仕事ぶりと、留学を経験したことで身に付いた米国人との接し方(交渉の仕方なども含め)が大いに活用できるので、非常に重宝されています。
冒頭申し上げたとおり、私は30代半ばで、社会的にはまだ若い部類だと思います。しかし、ただなんとなく大学を卒業して一流企業に勤めるのではなく、自分の本当にやりたいことを決め、それに向かって事を進めていく、そんな人生の歩き方は非常に有効だと思います。私は海外へ出たことで良い刺激を受けました。日本にいたらいつまでも型にはまった考えで一生を過ごしていたと思います。