日本は高度経済成長の後経済は停滞どころかデフレ状態が20年以上も続いています。
大企業は下請けの仕事を日本の中小企業から海外に移して経費の削減をしています。確かに海外の途上国で部品などを製造すればかなり人件費が削減され、その結果商品は安く仕上がることになります。しかし、それで本当に質のいいモノづくりが出来るのでしょうか。
奈良には昔から書道の道具を作っている小さな会社がたくさんあります。その中には筆を作って売っている会社もあります。書道に使う筆は色々な動物の毛を使って作られており、決して工場のラインで作れるようなものではありません。職人が手間暇をかけて一つ一つ作っています。人間の感性や繊細さが必要とされる仕事です。
最近その会社では化粧筆などを作って販売したりしています。化粧筆なんて海外製の100円均一の安物でもいいじゃないか、と思ってしまいますが使ってみればそれは違うということがすぐわかります。 ちょっとした肌の上での濃淡の違いやふわっとした質感など、職人の手作りでしか味わえない感触があります。
日本には筆だけでなくこういった質感や感触を生かすような道具作りをしている会社がたくさんあります。
人の感性に直接響くような日本の道具類をもっと海外向けに売り込んでいったらどうかと思います。