日本人が海外に行って困ること、外国の方が日本に来て驚くことといったら、共通してあげられるのはチップの問題です。

アメリカやヨーロッパへの旅行にたつ前には、日本人はチップのルールについて勉強するべきだといわれるほど、日本とそれらの国のチップというものの考えは全く異なったものになっています。
日本人にとっては馴染みの無いチップという文化は、海外では当然のことなのです。良いサービスを得るために払うお金と考えられがちですが、本来は良いサービスに感謝して出す気持ちなので、スマートに払うことがステータスとして求められます。

しかし日本のスマイル0円、心配りはプライスレスという考え方も、同時に貴重なものです。日本のサービスが評価される理由の中には、まず間違いなくチップの概念が無いということも含まれているはずなのです。

海外のチップの文化に順応し、しかし日本人としての心配りも忘れない。日本人の柔軟さは、海外の人にとって時に清廉なものに映ります。

日本人はサービスに、感謝の心を求めます。感謝の心が海外ではチップというものに形を変えているだけで、実はそれほど差は無いのかもしれません。

しかしそんなわずかな差は確かに、日本の価値を高めています。日本人は自らの振る舞いが評価されているということの意味を知り、これからも日本らしいその文化を守っていかなければなりません。

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