もう11月も終わりに近づき、2013年もあとひと月となってきました。もう少しで本格的な冬になりますね! 秋の紅葉は十分楽しまれたでしょうか?
私が住んでいる北陸は、今、雷や風雨で荒れています。この天候が次第に雪になり、あたり一面、真っ白な雪景色になるのです。
日本人は、昔から四季を楽しんできました。日本に四季があり、それを堪能できるということは恵まれていると思います。海外には、一年中、暑い地域や寒い地域があるのを考えると四季を楽しめるというのは、幸せな事だと思います。”桜前線”という言葉があるくらい日本人は四季がめぐり、四季折々の幸せを感じることがうれしいのです。
平安時代では、四季を題材に和歌が詠まれてきました。桜の散る様子に儚さを感じたり、秋に満月を見て、愛する人に想いを寄せたりと、日本人の心には繊細で何か美しいものが流れているのではないでしょうか。昔の先人達が感じてきたものが、現在の私たちにも大なり小なり確かに流れてきていると感じます。四季折々の風景に心を寄せてしまうのは今も昔もそれほど変わらないのではないでしょうか。
海外では、そういった日本の繊細さが評価されてきていると思います。海外では、日本の駅のトイレの綺麗さに驚いたという声もあるように、こまごまとした配慮が行き届いているのも日本の魅力ではないでしょうか。芸術の面でも、繊細に作られた切り絵が海外で評価され、日本食の味や見た目にも繊細さを感じます。技術面でも、高いクオリティーは世界に誇れることです。これらは日本人が持つ繊細さゆえのたまものでしょう。
さて、今年は、将来の東京オリンピックの開催が決まり、日本人として嬉しい限りです。そこで、アピールされていたのは「おもてなし」です。
「おもてなし」の心は、やはり相手を思いやるこまごまとした配慮が出来なければあまり意味を成しません。その、こまごまとした事柄に気付けるか、という事も繊細さがなければ見えてきません。そういう点では、日本は、自信を持って強くアピールする絶好の機会だと思われます。世界中から色んな人々が集まるため、一筋縄ではいかないこともあるでしょうが、それを超えて世界の人々に感動と満足を与えられる「おもてなし」を実現できれば、それは一つの産業、「おもてなし産業」として、世界に発信することも可能ではないかと思います。現に、日本で行われている「おもてなし」の技術がアジアなどでも取り入れられています。日本人の心の中に流れる繊細さからの「おもてなし」が、世界でより認められて、よい影響を与えられるでしょう。