投稿日: 2020年05月07日

今日のこの町は、
気温、摂氏9度だけど、お天道様も顔を出してくれていた…

一体、どれくらいぶりだろう…
いつか最後に走ったのは。
あれだけ「走りたい!」
と思ってたの…

自分の持つ「区間記録」を更新したい!
周りからは「自信過剰」と注意されてはいたけど、
「…相応に」というのはあまり好きじゃないし…

それが楽しみで、励みになって
その日、一日 一日を過ごしていた…

つい先日、
これが自分の身体なのか、と
風呂上がりのお腹を見る…。
体重計に乗る。

ふと又、「…」年前の自己記録が気になった。
でもそんな気持ちが打ち砕かれた去年。
違和感が…

去年の10-11月、日本帰国の折
人間ドック→CT等、精密検査を受けた…
どうやら医師によって見解が違うらしい。
「激しい運動は避けなさい…?」

念のため処方薬をもらったけど、
今のところ、そのお世話になっていない…。

そんなこんなで、
あれだけ楽しみに、

生活の一部になっていたジョギング。
それと、バトミントン。

「いずれ」「そのうち」
に代っていった…。

でも今日は「何が何でも絶対に走ろう!」と思った…

背中を強く押してくれたこのエピソード…

私、この隣り合わせた「私」と同じだろうか…。
もうしばらくは健康でいようと思う。

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長年にわたって広く旅をしてきたので、あらゆる人達の隣に座りました。
ですが、ひときわ興味深かったのは、10歳の女の子です。2012年に、ストックホルムからロンドンまでの4時間のフライトで隣になりました。
女の子はご両親と移動をしていたのですが、どうやらチケットに問題があったようです。ご家族は別々に座ることを余儀なくされ、彼女のお母さんとお父さんは、機内後方の座席に座っていました。そして、女の子は機内前方の座席で、私の隣に座っていました。
最初は、彼女に気づきませんでした。飛行機が飛び立ち、水平飛行になってすぐにノートパソコンを取り出し、ロンドンで開催されるセミナーのプレゼンテーション資料の作成に取り掛かりました。20分ぐらい経って、腕をトントンとされたのに気付き、彼女に顔を向けました。
女の子:「こんにちは」
私:「こんにちは」
女の子:「何をしているの?」
面食らいましたが、私は微笑んでこのように答えました。
「仕事をしているだけだよ」
女の子:「うん、それは分かるの。それで、何をしているの?」
彼女の質問を面白く感じたので、次のように答えました:
「セミナーのプレゼンテーション資料を作っているんだよ」
女の子:「スゴイ!見てもいい?」
彼女にノートパソコンを見せると、矢継ぎ早に質問が飛んできました。
「これは何のためにあるの?これはどういう意味?」
私は子供好きなので、まったく気に障わりませんでした。むしろ、面白く思えたのです。10分程これが続くと、彼女のお母さんが私たちのそばにやって来ました。お母さんは女の子をすぐに叱りつけて、
「邪魔をしないの。邪魔をするのは、お行儀が悪いことなのよ!」
とピシャリと言いました。ずっと笑顔だった女の子の表情は、一瞬で曇り、悲しそうな表情に変わります。 気の毒に思い、お母さんに対して、
「大丈夫ですよ、本当に大丈夫なんです。面白いものを一緒に読んでいただけなんですよ。」
と伝えました。 お母さんは、本当に大丈夫かを尋ね、迷惑なら女の子を後ろに連れて行くと言いました。
私は、「迷惑じゃないです。大丈夫ですよ。」と伝えました。
お母さんが立ち去った後、また怒られるのが嫌で、女の子は会話をするのをためらっているようでした。 彼女の気持ちを感じ取れたので、パソコンで開いていた資料を閉じて、ソリティア(ゲーム)を開きました。彼女に勝負を挑んだころ、やる気まんまんで乗ってきました。その後1時間、ノートパソコンで勝負を続けました。 彼女が4−1で私を打ち負かしたあと、休憩をすることにしました。
彼女はもっと質問をしてきました。
「どこから来たの?」「お仕事は何?」「クッキーは好き?」「大きくて、早い車を持ってる?」←この質問が特に面白いと思いました :=)
次は、私の番です。女の子に、(大きくて、早い車の質問以外の)同じ質問をしました。それから、次の質問をしたのです。
私:「ロンドンに住んでるの?」
女の子:「ううん。元々はロンドンに住んでたけど、ストックホルムに住んでるの」
私:「ロンドンには、お休みで行くの?」
女の子:「ううん。お医者さんに見てもらいに行くの。」
私:「お医者さん?どうして?」
女の子:「だって、病気なの」
私:「ストックホルムにいるお医者さんじゃだめなの?」
女の子:「パパが、ロンドンのお医者さんに見てもらわなきゃダメって。その方がいいって言ってるの。」
私:「何の病気なの?」
女の子:「ガンなの」
これまでの人生で、コトバが出てこない瞬間はあまりなかったと思います。でも、これはコトバが出てこない瞬間のひとつでした。それを聞いて、女の子をただ見つめることしかできませんでした。じっと見ていると女の子が気まずく感じるかもと思ったので、私は急いでショックからの回復に努め、場の空気を和らげることにしました。
私:「そうなんだ。ごめん。大丈夫?」
女の子:(肩をすくめて)「大丈夫。でもね、ママとパパは、ストレスでちょっと苦しんでるの。ママとパパに病気についてたまに聞くの。でも、何も答えてくれないの。だから、悪い病気なんだって分かるの。ガンについてパソコンで読んでみたんだけど、ほとんど分からなかったの。でもね、ガンで死ぬこともあるってことは知ってるの。」
そして、私を見て、彼女は次のように言いました:
「私、死んじゃうのかな?」
思わず彼女の手を握って、
「死なない!死なないよ!約束する。きっと良くなるよ。」
私の手を両手で包み、笑顔で、私がこれまでに聞いた言葉の中で最も思いも寄らない言葉を彼女は口にしました。
「大丈夫。嘘をつかなくてもいいよ。もうすぐ死んじゃうかもしれないのは分かってるの。怖くはないよ。でもね、もっと時間があったら良いのにって思うの。」
私:「時間?何のための時間?」
女の子:「ママとパパをどれだけ大好きかって伝えるための時間」
これは、もう無理でした。女の子を片腕で抱き寄せ、きつく抱きしめました。時同じくして、お母さんがそばにやって来ました。女の子の顔は私の右肩に埋もれていたので、女の子からはお母さんは見えません。私はお母さんを見上げました。お母さんは、私の表情から何を見て取ったのかは分かりません。お母さんが何を思ったのかも分かりません。ですが、お母さんは全てを理解しているようでした。少なくとも、理解しているようには見えました。私たちを数秒だけ見てから、お母さんは後ろに戻っていきました。
その後、女の子を手放すことはできませんでした。そして、女の子も喜んで受け入れているようでした。その後のフライトでは、そんな感じでずっと抱きしめていました。

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今日のジョギング、
所々で出会う家族連れ、夫婦の散歩。

「見事に」
私のよろよろ姿を見ると、

はるか10メートルくらい手前から
私を避けてくれる。

3 – 5メートル位余裕を持って…
やはりとても苦しかった。

しばらく横になっていると、
喜びが戻った。

これまでの「記録」の2倍以上の時間がかかったけど、
少なくとも今日の「ノルマ」を果たした。

明日もがんばってみようかな…

 

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