投稿日: 2023年05月27日

「Uberのドライバー」

久しぶりにUberに乗る機会があった

● 行きのドライバーはカンボジア出身。米国に来て40年と言う。家族は皆こちらに住みほとんどカンボジアに帰る事はないが、去年久しぶりに行って親戚や友人達と会ったとのこと。日本には一万人程度のカンボジア人が住んでいるのではないだろうかと言っていた。日本からの経済的な支援に感謝しているとのこと。
4年位前からUberのドライバーで生計を立てるようになり、朝から晩までハンドルを握っていると言う。

 

稼ぎはコロナ明けの忙しい時で1日500ドルも稼げたが、今は平均すると200ドル(手取りベース)程度。ガソリン代に去年約10,000ドル弱支払った、このところの大幅な値上げで、1日に40ドルは支払っていると思うとのこと。

 

歳の頃は60代だと思うけど、その割にはエネルギッシュで若々しい感じで、運転することが全く苦にならないと…

 

正直、自動運転時代がまもなくやってくるのに、この人たちはこの先どうやって生きていくのだろうかと思った。

 

● 帰りのドライバーは、驚き…何とガザ出身のパレスチナ人の若者、バージニア大学を卒業後、1年前からイリノイ大学のエンジニアリング博士課程の学生。Uberのドライバーをして、学費、生活費を稼いでいる。
私は報道ベースでしか知らないが、とても悲惨な地域の出身者、しかもエンジニアリング、原子力等についてこの国で学んでいるとの事で彼個人に興味を持った。

 

核、原子力…という訳で先の広島でのG7サミットに話が及んだ。世界で唯一の被爆国の日本が主催するサミット… そもそも、原子力の平和利用とは…

 

核にしても、昨今のAIにしても、それらの技術の進化が止まる事はない…G7サミットのような場で、いくら綺麗事を謳ったところで、一握りの国、地域、グループや人間の「悪さ」を止める事は不可能のように思える。G7の世界への影響力も年ごとに弱まっていく。

 

しかも、モノごとの見方は千差万別でもあり、何が絶対的に正しくて、何が悪だという論はナンセンスでもある。G7の主張が正しくて、世界全体に通用すると考えるのは傲慢でもあり誤りだ。大多数のリーダーたち自身が充分認識していることでもあろう。

 

誰もが、同じ方向の価値観、常識を持ち前向き建設的な思いや考え方さえ共有できれば、喧嘩や戦争など起きないかもしれない。が、そんな夢、理想をいくら唱えたとしても、残念ながら無意味である事は歴史が…そして現実が雄弁に物語る。他者を力ずくで抑え、強要し続ける事は不可能だ、とも語っているのだが…

 

彼が国を捨てパレスチナを去ったのは、常に生命の危険と隣り合わせ、人間らしい生活もできず、将来への希望が全く見えない…行動するしかなかった…祖国を捨てるしかなかった。

 

運を天に任せる、という言葉そのままの旅はギャンブルでしかなく、祈るような気持ちで飛行機に飛び乗ったと言う。唯一の望みは、難民のステータスで、バージニアの大学入学の認可が取れたこと。
しかしながら、受け入れに関する米国の移民当局からの公式な書類は無く、入国が許されるかどうかは全くわからない…案の定、入国時には、別室に連れて行かれ数日間閉じ込められた。国外追放されるかも知れない…と言っても、帰るところはない…どうなってしまうのだろうと不安な時間、日々は如何ほどのものだったろうか…。

 

そんな話を交わすうちに、彼が日本の文化や歴史にとても興味を持ち、かなり勉強してきている事を知った。彼の口からSengoku (戦国)、Nobunaga (織田信長)、Mitsuhide (明智光秀)、Tokugawa (徳川) 等の言葉が次々飛び出したのにはとても驚いた。

 

曰く、彼がバージニア大学在学中、日本から来た学生もいたので、日本の歴史について問うたところ、ほとんど知らなかった。とても恵まれた国、「自分の国なのに!」と思わず叫んでしまった…いつか行ってみたい国、日本。経済もテクノロジーも、そこに住む人たちに対してもリスペクトしている…いたのだが…

 

そこで私は、
ある程度歴史を勉強している日本人として彼に弁解する必要があった。

明治維新から、第二次大戦後の日本復興まで…ことに、大東亜戦争の勃発、真珠湾、広島・長崎の原爆、それに続く、米国占領軍GHQによる日本統治政策。WGIP (War Guilt Information Program = 戦争責任広報計画) によって、そしてその一環としての黒塗り教科書によって、日本国民は戦勝国側のいいように再教育されてしまった…

属国化教育だ。アメリカにしてみれば、ことごとく価値観の異なった、しかも異様に強力な「チーム日本」は恐怖でしかなかったのだ。

 

「3S政策」により、日本人には、政治や宗教などに目を向けさせず、Screen (スクリーン=映画鑑賞) 、Sport(スポーツ観戦)、Sex(セックス=性欲) に溺れさせようと愚民化政策…

 

「仕掛けられた」真珠湾、先の大戦であったのにもかかわらず、一方的に「日本=悪」という図式の戦後教育が徹底されて今日に至った。 いや、むしろ骨のある国のリーダーや人物がいなくなってしまった今現在、むしろ悪化しているのではないかと危惧する。

「政治の話はするな」等と馬鹿げた論が主流であり、政府や主要メディア報道の喧伝されている内容そのままに、教わった事は、正しいものと盲目的に信じ、私たちは自分自身の頭で考える習慣を忘れていった…

 

21世紀に入って、インターネット、SNSの普及で、テレビや新聞報道に惑わされることが少なくなり、多様な情報や考え方に触れるようになった若者はまだマシと言える。

 

米国内でも分断化。民主党は、左翼リベラル共産主義者に牛耳られ、私の住むイリノイ州や町の多くが「ある方向」に向かわせようとしている。お金や利権の絡む方向に…そのためには、異論を極度に嫌がり、話題からも避け、そして人格すらも強く非難、抗しきれなかった時にはやたらに陰謀だとレッテル貼り、大声で騒ぎ立て力業で跳ねようとの試みる。

 

露ウクやコ◯ナワクもこの延長線上にある…。多数の人の悲惨な状況下、空前の利益を一部の者にもたらし続けている。

 

多様性を認めよ、などと言う美辞麗句に騙されてはいけない。言葉と裏腹に間逆な行動をとる彼らに洗脳され切ってしまうまでに、心して冷静かつ客観的な考え方を維持する度量と学びを通じた知識武装が必要だ。

 

米国はまだマシ。しだいに多くの人々が、このインチキな茶番の構図(偽モノにホンモノ情報をそっと忍ばせたり隠したり)に気づくようになり声を上げる人も多数出てきた。

 

米国の公式文書公開、SNS…そして、トランプ現象、イーロンマスクのTwitter買収による闇の関係と真実の暴露、フォックスニュースの有名キャスター・タッカーカールソン騒動…自らの命の危険を承知で果敢に難敵に挑んでいる姿は小気味良い。爽快な気持ちにさせてくれる。

 

声を上げるや否や、活動家と軽信者(体制に操られた無自覚、無邪気、盲目的順応型の人)たちに猛攻撃される。こうして世の矛盾に気づいた人々は抑圧されるが、この先気づく人が増えていくとその抑圧は乗り越えることができるかもしれない。

 

日本を敵視する核保有の三カ国に囲まれながら、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」などという占領軍に押し付けられた日本国憲法の前文…いまだに一字一句変えられないとは…自分の国の憲法を時代の変化に沿った形に整えていく。それが世界の国々の常識であり当然.。戦後78年にもなろうかという今日、愚民化政策そのままに放置し続ける…それを押し付けた当の米国にすら「いまだにそんな憲法を守ってるのか」と呆れられているのに…現状維持バイアスに陥ってしまっている、平和ボケやお人好しも、いい加減に目覚めよ!

 

日本が今のウクライナになっていても不思議ではないのだ。魔の手によって「意図された」露ウク戦争、コ○ナやお注射騒動に対する超愚策にみられるとおり、利権にまみれた彼らにとって人の命は無いも同然。

 

国民一流、経済二流、政治三流…と言われたこともあるが、刹那的に生き、考えることを放棄してきた挙げ句、その民度の低下は寂しい。「富国強兵」策を忘れたリーダーたちとそれを支持し続けた大衆。バブルのはじけた1990年以降の日本の選択は目を覆うばかり。

 

私たち一人一人が、政府やメディア、他者からの情報や意見を、仮に一旦は受け入れる事があったとしても、常に異論や反対意見、少数派の考え方にも素直に耳を傾けつつ自分の頭で考え、必要に応じて激論を交わす。そんな意味のある深掘りの努力習慣を持つことでしか個人個人の成長はあり得ず、そればかりか、自分や家族の身も、結果として、子・孫の世代や国全体の安心安全への道も閉ざされることになる。

 

パレスチナの彼は、現在この国ではその存在すら公には認められていない。いまだにパスポートもビザもない状態。護ってくれる国もない。でも学生としての資格は得られているという信じがたい状況。 今でも「Nobody」…存在を認められていないに等しいとは何と虚しく辛いことだろうか…生きていくため何を成すにも、一般の人の何倍もの時間と労力を要すと言う。

 

懸命に勉強し、とにかくこの国で暮らし続けるために、そして生き抜くために定められたルールには従う……が、その一方で、よりベターな未来を期し信じて変化し続ける世の情報から学び、叡智を得、真剣に自分の頭で考え判断する、その折々のベストな行動を素早く選択し続ける…まさに日々真剣勝負の生き様。

 

我が家に無事送り届けてくれた際、「微力ながら何か私にできることがあるかもしれない…」とこの青年に名刺を手渡すと「ぜひお願いします」と大変喜んでくれた。

 

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#Uber、#パレスチナ、#GHQ、#WGIP

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