ベアリングといえば工作機器などに組み込まれる、粒上の鉄球がイメージされます。

大型の回転機械から、コマのよような小さな玩具まで使われている技術製品です。

一方、冷蔵庫や机の引き出し等には、樹脂でできたベアリングが用いられています。

樹脂のベアリングは軽い上に、コストを抑えられるというメリットがあります。

何よりもサビたりしないので、手入れをしなくても長く維持できます。

この樹脂ベアリングで国内のトップシェアを誇るのが、TOKという企業です。

同社はベアリング以外にも、ロータリーダンパーという製品開発で知られています。

これは便器やピアノ等の蓋を、ゆっくり閉じるのに使われる技術です。
樹脂ベアリングの最大のメリットは、柔軟な設計に対応できることです。

ベアリングの大きさは組み込まれる製品によって異なりますが、それでも高い精度が求められます。

変化の激しい現在の製品市場では、開発されるアイテムの種類も相当な数になります。

多様な製品開発に対応するには、ベアリングも柔軟な設計が可能でなければなりません。

ベアリングは製品の要となることが多いため、耐久性などの品質も高いものが求められます。

TOKでは柔軟な設計や顧客の要望に対応すべく、社員の発想力とコミュニケーション力の向上につとめています。

同社は人材の育成を経営の柱の一つに位置づけており、社員の成長こそが会社の成長と考えています。

 

製造業の世界では市場で先行する製品を開発しても、すぐに競合製品が生まれるのが通例です。

その中で打ち勝ち続けるには、付加価値の高い製品を提供することが不可欠です。

それと同時に顧客の求めるものを、より速くより低コストで作り続けることです。

こうした製造方針に基づいて、TOKは海外展開にも積極的に取り組んでいます。

2000年代に入ってからは、同社のトイレ用ダンパーが、西欧を中心に大きく売上を伸ばしています。

2014年にはドイツのデュッセルドルフに駐在員事務所を開設しました。

その他、アメリカ・カリフォルニア州にも拠点を設け、メーカーとのパイプづくりを図る海外展開を続けています。

 

アメリカや西欧の製品は、技術や品質においてトップレベルとなります。

その市場で認められるには、求められる製品を如何にすばやく提供できるかにあります。

それが、製品自体の付加価値となり、市場価値も同時に高めることになります。

欧米や中国の樹脂技術が肩を並べつつある中、TOKは顧客の要望にタイムリーに応えることで、

海外展開でも優位に立ち続けると言えます。

 

 

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