世界の乗用車で最初となるハイブリッドカーのトヨタプリウスは1997年に登場し、
1999年にアメリカを始めとして海外展開を開始しています。
初代型のプリウスはまだ特殊な車種であることと販売初期にはライバル車がないことなどもあり、
国内展開、海外展開ともに大ヒットとまでは行かなかったのですが、
2003年にフルモデルチェンジで登場した二代目プリウスは格段に販売台数を伸ばし、
海外展開でも次世代環境対応車の象徴として扱われるほどの地位を得ました。
二代目プリウスの初代からの変更点は多く、ハイブリッドシステムの刷新による燃費と
走行性能の大幅な向上が行われています。
(初代プリウス初期型の燃費が当時の10.15モードで28.0km/lだったのに対し、
二代目プリウスは35.5km/l また、2005年に販売された二代目ホンダシビックハイブリッドは31.0km/l)
また、ガソリン価格の高騰もプリウス普及の追い風となった部分があります。
二代目プリウスは初代プリウスと比べてサイズも拡大されており、
日本の小型サイズとされる5ナンバーサイズから3ナンバーサイズとなった点も大きな特徴ですが、
これは大型車の人気が高い海外展開をより有利にするという意向とメカニズム搭載スペースに
余裕をもたせるという面がありました。なお2003年時点ではディーゼルエンジン車も
環境対応車としての立ち位置はありましたが、当時のディーゼル車はサイズが大きいものが
テクノロジー的な先端を行っていたことや、オートマチック車の設定が難しかったことなども弱点で、
数値的にプリウスより燃費で優位に立つことは2019年現在までありませんでした。
ただしトヨタもディーゼルエンジン車やハイブリッド車も当時から生産しており、
トヨタのプリウスを環境対応車のイメージリーダーとすべく海外展開させた視点は見事と言えるでしょう。
当時ハイブリッド専用デザインを持っていた車は5人乗りハッチバックスタイルのプリウスと、
ホンダの二人乗りクーペ・インサイトだけであったことから、現実的な選択肢であることと、
ハイブリッド車に乗っていることのわかりやすさという点も成功の理由と言えるかもしれません。
その後プリウスは三代目、四代目へとモデルチェンジしていきますが、
基本的にアメリカのモーターショーで最初にプロトタイプを出展するなど海外展開を現在でも
強く意識しており、一定以上の成功を収め続けています。