約8か月前の2016年12月31日大晦日の朝の年末スペシャル・特別番組
勉強会の席やCD、映像、それに本、各種出版物では日頃から氏のお顔・口調・お話・考え方に触れてきてはいますが、今回のように一般のテレビ・メディア等で色々なハイライトシーンをまとめて編集・公開されたものを目にするのは私は初めてでした。 時の流れを想い、そして初めてお会いした6年前からの姿が脳裏を過りました。
「雲の上の人」のよう高く遠く感じる反面、お会いする時は親しみやすく、いつでもどこでも私達のすぐ傍にいて呼びかけてくれる(殊に、母子家庭で育った私にとっては)心の父のような存在です。
思い起こせば、シカゴで盛和塾開講式が行われた震災直後の2011年5月、あの大変な時期、予定されていた開講式開催も危ぶまれた中、それはそれはお忙しい中、午前中はテキサスでのアメリカン航空(JALと提携)の役員会に出席後、強行軍で夜の私達の待つ食事会に駆けつけて頂いたことが今でも心に残っています。 優しい表情で「お前たちは(私の)子供のようなもの、(だから何があってもでも来たんだ)」と、その声が聞こえるようです。
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ところで…、
「ただ、その瞬間・瞬間、一生懸命努力をしたその延長線上に今日があるだけ」、そして、「謙虚にして驕らずさらに努力を」は「良くなってくるとどうしても人はおごってしまう。今の結果が良いとしてもそれは過去の努力の結果であって、これからは何の保証もされていないんだよ… これから先将来に向かってこれから努力をすることによって新しい結果が生まれてくる」とテレビは語っています。 これが、私達が常日頃から教わってきている価値感であり真実だと思います。 そして素晴らしいその結果・成果を目に見える形で生み出した、いわゆる社会的成功者達に皆が勇気づけられ感動し彼らを讃えます。
でも、私個人を振り返ってみると…(少しだけ見方を変えてみます。)
過去の延長線上に自分の現在・未来があるのではなくて、「未来を原因として今がある」という考え、過去は文字通り「過ぎ去ったものでしかなく考えても仕方がない、未来にこそ自分のもっともっと輝く未来がある。年をとるほどに豊かになる人生。 “7つの習慣”のコヴィー博士の言葉にもありますが、
「Live Life in Crescendo」…。今より素晴らしいものが将来に待っている、まだやりたい事・やれることが未来にたくさん残っている。過去にこだわる
のではなくて、クレッシェンドのような、どんどんボリュームアップしていくような、そんな素晴らしい人生を生きるんだというメッセージ。楽しい・明るい・豊かな希望に満ち満ちた先を望み・期待し・信ずる、そんな強い気持ちを持つことで人は2倍・3倍(或いは100倍?)のジャンプアップした生き方が出来るのではないだろうか…、と。 夢が膨らみます。
気がつけば身の回りには、ブロックチェーン技術・暗号通貨(価値、信用とは何か、というお金の本質を問いかけます)、AI (人工知能)、VR (バーチャ
ル・リアルティ、仮想現実)、IoT(あらゆるもののインターネット化)等の言葉が行き交っています。これ等の技術的進歩・発展は否応なしに人の暮らし
やこれまでのビジネスの常識を一変させることになります。それもものすごいスピードで…。 これは過去の延長線では想像もつかない。「未来にこうなっていたい」が今現在進行形で具体化していっている訳ですよね。
私達の常識の「因果の法則」とは「過去が原因で今がある」のはずです。決して「未来が原因で今がある」ではなかったはず。 これまでのやり方・考え方で生きてきた自分を愛しつつも、一方では、「折角の一回限りの人生」として、全く別の生き方、考え方を持った生活やビジネスを実践したい、と願う自分がいます。 これは「矛盾した」相反する考え方・生き方をせよ、ということだろうか?
「矛盾」…。 成功とは「矛盾の両立の道である」との認識を持つべき…。 私がその昔勤務していた会社の社長に「矛盾に生きろ!」と言われていた事を思い出します。論理的に矛盾を感じたら、そのどちらかが間違っていて、どちらかが正しいと捉えるのではなく、両方が正しいという前提で、その時・その瞬間にどちらを選択するかが大事である、と教わりました。 稲盛さんも、「経営者たるもの、相矛盾した二つの要素を持たねばならない」と言われています。 「非情と温情、利己と利他、大胆さと緻密さ、等、これらを心の中に併せ持ち、その時・その場に応じて瞬時に適切に発揮する能力が求められる、これが経営者の持つべき必要な資質だ」と…。 99%の普通の(“ただ”の?)良い人にとっては、容易には理解しづらい価値感・人間性なのかもしれませんが、1%(?)の経営者、或いは、自らが目指す真の成功に向かう人は、生涯にわたって精進し続ける必要があり、又、それに挑戦するだけの意味があるのかもしれませんね。
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ちょうど一年前の今頃(2016年8月)には、私の生まれ育った故郷である鳥取県の米子市で稲盛さんと再びお会いしました。泳ぎが大好きだとの事。(日本海に面した)皆生海岸でバーベキューをしました。 何という偶然か、私の高校時代の同級生が支配人をしているホテルでの懇親会、今思い出してもとても愛おしく本当にかけがえのないひと時でした。(思えば、このテレビ放映の4か月前だったのですね。)
米子とシカゴ…、「私の二つのふるさと」の地でご一緒した…。 今思ってもまさに「あり得ない」巡りのひと時でした。