茨城の酒造が激戦区ロンドンに挑戦

 

近年、ロンドンではクラフトビールが空前のブームとなっています。

イギリス全土、そしてヨーロッパの国々から様々なビールが集まります。

年に数回開催されるビールフェスティバルにはマイクロブルワリーと呼ばれる

小規模の醸造所がイギリス中から集い、個性豊かなビールを提供しています。

そんなビール激戦区のロンドンで、茨城の小さな醸造所が海外展開に挑戦しています。

 

1823年から日本酒を作り続けている、茨城の木内酒造です。

『常陸野ネストビール』というブランドで様々な種類のビールを製造し、海外展開しています。

ビールの原料には非常にこだわっており、本場のドイツやイギリスから輸入しています。

イギリスから輸入した材料で日本で作られたビールが、

イギリスに輸入されロンドンで人気を博している。

非常に面白いですね。日本ではビールといえばラガーが一般的ですが、

木内酒造はIPA、ホワイトエール、スタウトなどイギリスで人気のあるビールも製造しています。

 

『常陸野ネストビール』の製品はおしゃれなレストランやバーでよく提供されています。

ロンドンの人は常に新しいのもの求めているので、海外の見慣れないビールを提供することは

レストランにとっても大きなプラスになると思われます。

ロンドンでは日本食レストランは基本的に高級な所が多く、

食に関して「日本」は非常にブランド力が大きいのです。

『常陸野ネストビール』はうまく日本ブランドを活用して成功した事例と言えるのではないでしょうか。

かわいいフクロウの絵がついたスタイリッシュなラベル、ウェブサイトも

古くからある酒造の建物を写した芸術的な写真が多く使われています。

限定版を含む商品の種類も多いのですが、「ニッポニア」、「だいだいエール」、

「ジャパニーズ・クラシック・エール」や「レッドライスエール」

日本を全面に押し出した名前が多いのも特徴です。

美食の国、日本で作られたビールをうまくアピールし、海外展開の大きな成功を収めています。

 

近年、日本でもクラフトビールの人気が高まり、クラフトビール専門店やバー、

レストランがじわじわと増えてきています。

『常陸野ネストビール』の製品はそこでも海外から輸入されたビールに交じって提供されています。

IPAやスタウトなど海外で人気のビールがラインナップに入っていることで、

日本人にとっては新鮮味があるのが理由でしょう。海外展開に成功し、

その戦略が日本での展開にも功を奏しているのです。